一人ひとりが持てる力をフルに発揮できる企業を目指す--武田幸男・ファイザー執行役員人事・総務部門長/ダイバーシティ経営大賞女性管理職登用部門賞受賞記念スピーチ
今回、受賞させていただいた「女性管理職登用部門賞」ですが、私個人としては、女性の力、これはたいへんすごいものだとつくづく感じています。わが社には、私の後輩で「日経ウーマン ウーマン・オブ・ザ・イヤー2010」で総合3位になった「清村千鶴」という女性がおります。医薬品業界では初めての営業出身の女性執行役員です。ほかに営業で特に優れた成績を上げて、表彰された女性社員や、日本だけでなくアジア地区を統括している女性広報部長もおります。
彼女たちは、私たち男性では思いつかないような発想をし、それを率直に言って実行する力があります。特に、人を褒めたり、相手をエンゲージしたりすることというのは、女性の強みではないでしょうか。彼女たちに共通しているのは、「プライベートも大切にしながら仕事もよくする」ということです。しかも、ほかの人たちがまねできないような特別な遠い存在ではなく、たいへん身近で、生き生き、キラキラと楽しそうに働いているということです。
ファイザーではワークライフバランスとは言わず、自分で仕事と生活をマネジメントする「ワークライフ・マネジメント」を目指し、社内ではその言葉を使っています。彼女たちはまさにそのとおりです。
ワークでは、部下にどんどん仕事を任せて人を育てながら実績を出し、またライフにおいては、家族や地域の人たちとの人脈も通し、充実した個人生活を送り、仕事と生活をうまくコントロールし、「生き生きと、しなやかに、美しく」人生を送っています。こういった女性社員が私の周りでは本当に増えてきています。このようにいきいきと働く社員が男女を問わず、もっと増えていく社会になればいいなと考えております。
ワークライフ・マネジメントについては、今年3月、NHKや民放が私どもの会社を取材に訪れ、残業削減の会社の工夫などを取り上げていただきました。会社としての取り組みと個人個人が自分でマネジメントするということの両方が定着してきているように思います。
今後についてですが、私どもファイザーは、今年3度目になる大きな企業統合を迎えようとしております。異なるバックグラウンド、価値観を持つ社員が入り、新しい企業文化が生まれます。お互いが議論し、時には対立し、多様な視点でものを考える、そして新しいアイデアが生まれ、イノベーションが起こる。それを期待しています。女性の活躍だけではなく、このようなマルチカルチャーなことをいかにやるかということが今後の優先課題です。
最後になりますが、今回の受賞を励みとしまして、皆さんの前でお約束したいことが2つあります。1つ目は、女性が障害なくその力を発揮できるよう、引き続き女性活用を推進し、確固たるものにしていくことです。2つ目は、今後さらにいろいろなダイバーシティに拡大していくことです。私はもう少しで定年を迎えますが、年齢の区別なく、男女の区別なく、心身障害の区別なく、勤務年数の区別なく、出身企業の区別なく、いろいろな人が自分の持てる力を発揮できる企業を目指します。
ダイバーシティは浸透や実行に時間がかかるものではありますが、私たちファイザーのダイバーシティの旅は続いていきます。旅がとどまることのないよう、そしてそれが日本のダイバーシティにも貢献するように取り組んでまいります。本日お集まりの皆様方には今後ともご支援をよろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。
※役職は2010年3月17日時点です。
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