アップルストア表参道店の何がすごいのか? ケヤキと見事に調和した幻想的な店舗
アップルストアは、そうした派手なアピールに比べると、梅雨の下でしっとりとケヤキの緑に馴染む、お店を構えていた。これも、今までなかったのが不思議なくらい、という感想を強める結果となった。
もちろん、一目でアップルの店とわかる店構えだ。高さ9メートル以上のガラスで構成された壁面と、中央に浮かぶリンゴのロゴマーク。しかし趣向を凝らした複雑な建築物が並ぶ表参道の中では、潔いほどのシンプルさは、アップルらしさを引き立てていた。
アップルの説明によると、表参道店は日本における最新店舗であり、アップルが考える店舗の演出を確かめることができるが、必ずしも「旗艦店」という位置づけではないという。確かに、広さという点だけをみても、1号店である銀座店こそが旗艦店の位置づけだろう。その場所に応じた役割や地域との調和を考えながら、コミュニケーションを取る場所として育てていこうという考えのようだ。
広々とした柱がない空間
一歩中に入ると、たくさんの光りが自然に入ってくる空間が拡がり、まるで表参道の歩道がグッと拡張されたような印象を受けた。いつもは間下から見上げるしかなかったケヤキを、少し離れたところから眺められる、新鮮さがある。しかも、高い天井の下、視界に遮るものが何もない柱のない空間だ。
こうした空間に、アップルストアではおなじみとなった柔らかなトーンの木目のテーブルが並ぶ。ここには、アイフォーン、アイパッド、マックなどのアップル製品が並べられ、自由に触れるようになっていた。特に目立ったのは、カラフルなアイフォーン5cだ。ガラスと石のシンプルな風景の中で、製品を紹介するバナーは色とりどりの筐体が描かれ、印象的だ。
アイフォーン5sもバーバリーのファッションショーとのコラボレーションを見せるなど、表参道らしい製品といえるが、より身近で個性的なアイフォーン5cを、オープン時の看板商品に設定していた。
アップルストアといえば、らせん階段だ。新しいらせん階段は、大きく弧を描くガラスの柔らかさと、エッジを立たせる金属を組み合わせたアップル製品らしいデザイン。ゆったりとした気分で地下へと下ると、ここも柱のない空間がひろがる。
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