物流施設、開発の裏で懸念される異様な過熱感

付加価値なしの「出口」ありき開発に危うさも

三菱地所が取得したカルピス相模工場跡地(記者撮影)

神奈川県相模原市のJR横浜線淵野辺駅から、南東方面へ徒歩で20分。青山学院大学の相模原キャンパスを超えた先に、カルピスの相模工場が立つ。

生産移管に伴い2008年に閉鎖された工場が、12年の時を経て不動産業界の話題をさらった。2020年末に物流施設開発用地として取引がなされたが、その金額が関係者を驚かせたからだ。

工場跡地を取得した企業は「淵野辺デベロップメント」。三菱地所による特定目的会社だ。複数の関係者によれば、跡地は坪170万円前後で取引されたという。登記簿上の面積は約2.3万坪あり、単純計算で約395億円となる。2007年の上場廃止前にカルピスが提出した有価証券報告書によれば、土地の簿価は2006年末時点で16億円。三菱地所は価格に関するコメントを控えた。

投資先として盤石な「レジかロジ」

「レジかロジ」。ある不動産関係者が口にした言葉が、コロナ禍での不動産投資の状況を的確に表現している。レジとはレジデンス(マンション)であり、ロジはロジスティクス(物流施設)を指す。景気低迷や外出自粛が長引いたとしても、この2つは投資先として盤石という見方だ。

とりわけ「ロジ」はネット通販(EC)の拡大を受け、投資家からの人気が高い。不動産サービス大手のCBREによれば、2020年の国内不動産投資額は約3.8兆円。このうち物流施設の割合は27%と、2005年の調査開始以来最高となった。

シンガポール地盤の不動産会社キャピタランドは2020年12月、「保有物件を入れ替える」と宣言。国内3カ所の商業施設を約220億円で売却する一方、三井物産都市開発と共同で物流施設開発に乗り出した。JR西日本や大成建設傘下の大成有楽不動産など国内組も、ロジに相次いで参入している。

物流用地は引っ張りだこで、今や首都圏向けであっても開発の波は一都三県にとどまらない。「国道16号線内側の用地が乏しくなり、茨城方面にも開発の波が広がっている。首都圏から多少距離があっても、土地代が安く道路も空いているため、物流適地としての評価が上がっている」(CBREの高橋加寿子シニアディレクター)。

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