日本が誇る「高級パトカー軍団」鉄壁警護の子細 海外要人、総理大臣、皇族などVIPの盾
さて、海外の要人警護とは対照的に、日常的に警護が行われているのが、総理大臣や皇族関係だ。
総理大臣のクルマ移動は公務にあわせ頻繁に行われる。とくに都内の移動は目的地が次々と変わることなどから、信号の操作や交通規制は最小限の範囲のみで走行する。
車列が通過する5分から10分ほど前に先行の警護車がルートを走行し、不審者や不審物などに目を光らせる。それらを発見した際は車列本隊に連絡し、本隊は別ルートで目的地に向かって走行することになる。
車列の規模はというと、基本的に3台の警護車と総理専用車、通信社のハイヤーの5台編成だ。これが公式行事の参加時だと先導パトカーに警護車2台、随行する官僚が乗車する公用車が数台付き、最後に通信社のハイヤーという編成となる。
「安全と親和」の皇室警衛は開かれた警備
最後は皇室関係の警衛警備について紹介しよう。
皇室の場合は警護ではなく「警衛」という言葉が使われ、その警備体制は国民との親和に配慮したものとなる。
車列は「自動車お列」と呼ばれ、天皇皇后両陛下や上皇上皇后両陛下の場合は、都内での行幸啓では白バイを含めて10台弱の最小限の車列が編成される。これが地方行幸啓になると白バイを含めて30台弱に増え、お列が通過するまでに「A」「B」「C」「3」「1」といったプレートを掲げた規制車両が通過し、ルート確認を行いつつ、沿道に集まった歓送迎者らに広報活動を行う。
とくに「3」のプレートを表示したパトカーは、車列通過の「3分前」という広報を沿道警衛員や歓送迎者に行う車両で、赤色灯カバーの一部を青色に付け替えて目立つようにしている。
地方行幸啓では警察本部を挙げての警衛警備が展開されるので、さまざまな部署の警察官が動員される。また、県警の規模が小さいところでは、ほかの都道府県警察の部隊が派遣され、あらゆる事態を想定して警衛警備が実施されている。
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