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昨年11月に発行されたU12ライセンスのテキストである公認野球指導者基礎Ⅰ<U-12>は、A4サイズ60ページ余りの冊子だ。特筆すべきは、技術論、指導論の前に、指導者としての心構えと、スポーツマンシップについて多くのページを割いていることだ。
テキストに書かれた「7つの提言」
アウトラインである「はじめに」に続く章では、「グッドコーチに向けた『7つの提言』」として
2 自らの「人間力」を高めましょう。
3 常に学び続けましょう。
4 プレーヤーのことを最優先に考えましょう。
5 自立したプレーヤーを育てましょう。
6 社会に開かれたコーチングに努めましょう。
7 コーチの社会的信頼を高めましょう。
を掲げている。これは2015年に文部科学省が新しい時代にふさわしい正しいコーチングの実現に向けてまとめたものだ。これを冒頭に置いたのは、野球界ではこの考え方が十分に浸透していないからだと思われる。
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さらに次章では5ページを割いて「スポーツマンシップ」について説明している。このコラムでも紹介したが、2019年4月に行われた新潟県高野連の会合で、日本スポーツマンシップ協会の中村聡宏会長がスポーツマンシップについての講演を行っている。新潟県高野連が一時期提言して話題となった「球数制限」はスポーツマンシップの考え方に基づいているのだ。
近年、野球界でも「スポーツマンシップについて学ぶべきだ」という機運が高まっている。「スポーツマンシップ」をカリキュラムに入れた意図について、山中氏はこう語る。
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