「影響力のない人」は相手との関係が見えてない 同じ話でも人によって説得力に差が出る理由
聞き手に「関係性」を感じさせるトリック
前回の記事では、影響力のある人は「信用」と「関係性」を上手に相手に感じさせることに長けている、という話をし、効率的に「信用」を得るテクニックの1つとして「ストレングス」という手法をお伝えしました。
それでは、今回は「関係性」についてお伝えしましょう。
人の心を動かす最もシンプルな方法は、対象者に「自分が求めているもの」に気づいてもらったうえで、それを手に入れる方法をその対象者に教えることです。
そこで、影響力のある人は、聞き手の心の中に強い欲求が生じるよう語りかけていきます。なぜなら、「ほしい」「知りたい」「学びたい」「やってみたい」といった欲が芽生えたとき、人は行動を起こす生き物だからです。
では、影響力のある人はどうやって聞き手に強い欲求を呼び起こすのでしょうか。
答えとなるキーワードが「関係性」です。彼らは聞き手に「この話は自分と関係がある」と思わせ、支持を広げていくのです。
私は、メンタリストとして「関係性」について多くを学び、実践し、練習してきたので「この話は自分と関係がある」と思ってもらうのが得意です。
例えば、8万円近い値段のするステッパーという運動機器があります。本来、室内で足踏みやジョグをする目的で販売されているものです。さほど多くの人が必要としているアイテムではありませんし、もっと安価な商品もあるので年間に何百台と売れるものではないそうです。
ところがある日、私が動画配信のついでに、このステッパーを紹介したところ600人以上の視聴者が購入するということがありました。その理由はこれから解説する「関係性の強調」にあります。
私はステッパーを運動機器としてだけではなく、使うと血流がよくなって脳の機能を向上させてくれることを解説。自宅仕事や読書のときに集中力を高める効果のあるアイテムとして紹介しました。
その結果、本来の使い道の場合にはステッパーを欲していなかった視聴者が、「自分に関係がある商品」「購入したら役立つかも」と関心をもったわけです。