小田急8000形、最後の「白い通勤車両」の存在感

機器更新で今なお主力、旧型制御の車両も残る

小田急電鉄の8000形。白い車体に青ラインの車両はこの形式が最後だ(記者撮影)

「青いラインの電車」で親しまれる小田急線。窓の下に青帯1本を入れた通勤車両のカラーリングは1969年に始まり、半世紀にわたって受け継がれてきた。

かつて主力だった白地に青ラインの車両が相次いで姿を消し、銀色のステンレス製車両が中心となる中、今も走り続ける白い車体の電車が「8000形」だ。登場以来30年以上、小田急全線で急行・快速急行から各駅停車まで幅広く活躍。現在は一部の編成を除いて制御システムを新型の省エネタイプにリニューアルし、ステンレス製の後輩車両と並んで第一線で働き続けている。

デビュー時の「流行」を反映

8000形がデビューしたのは1983年。輸送力増強のため、古い中型車の置き換えを進めるべく投入された。1両の長さ20m、幅2.9m、片側4ドアといった1960年代以降の小田急通勤車両のスタンダードを踏襲しつつ、当時流行のデザインや先端技術を採り入れた。

外観の大きな特徴は、正面の窓周りを黒くして柱を目立たなくし、大きな1枚窓のように仕上げたデザインだ。黒を多用してすっきりと見せるデザイン手法は「ブラックフェイス」などと呼ばれ、1980年代初頭から全国の鉄道に広がった。窓の下に並ぶ角形のライトも当時の流行で、同時期に登場した京急電鉄2000形(2018年引退)などが採用している。

側面は、窓の周りに銀色の縁取りがあるのがアクセント。これは飾りではなく、窓から雨水が入り込んで鋼鉄製の車体を傷めないよう、窓枠から下部の水受けまで一体化したアルミ製のユニット構造になっているためだ。このほか、屋根や床板も腐食防止のためにステンレス素材を使用するなど、車体は「長寿命化」を念頭につくられた。現在も美しい状態を保っているのは、丁寧なメンテナンスとともに当初の設計が生きているといえそうだ。

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