小田急、新型車両で「快適イメージ」は定着する? 幅を広げた車体でゆとりと速さをアピール
小田急線といえばロマンスカー、そして「青いラインの電車」をイメージする人が多いだろう。窓の下に1本の青い帯を通したカラーリングの始まりは、今から半世紀前の1969年。それ以来、車体は白いペイントからステンレス製の銀色が主流になり、最近は青の色調こそ変わったものの、基本的なスタイルは変わらなかった。
そのカラーリングが、新型車両でついに変化する。2020年春にデビューする「5000形」だ。通勤電車としては12年ぶりとなる新型は、窓の下に青の濃淡2色のラインを入れたデザイン。「より広く、より快適に」をコンセプトに、小田急では久しぶりとなる幅の広い車体を採用して車内空間を広げ、2018年春に完成した複々線化による混雑緩和をアピールする。
イメージを一新したい
5000形は10両編成で、小田急と直通運転する東京メトロ千代田線や箱根登山鉄道には乗り入れない自社線内用。2020年度までに6本を導入する計画で、今年度中に1本が運行を開始する。11月11日、車両メーカーから小田急線内に搬入された最初の編成を報道陣に公開した。
ステンレス製の銀色のボディは丸みを帯びたデザインで、先頭部はこれまでの小田急線の通勤車両とは一線を画す流線形。車体幅は現行の最新車両「4000形」と比べて11cm広い2.9mの「拡幅車体」で、最近の首都圏のJR通勤車両と同様、車体の下部を絞り込んだ形だ。
運転車両部の板垣匡俊課長は「複々線化と合わせ、小田急は混んでいて遅いという昔ながらのイメージを一新したい。今回は(地下鉄などに乗り入れない)当社専用車両なので、車体を限界ぎりぎりまで大きくした」という。
室内のデザインも「広さ」や「開放感」を狙っている。側面の壁は空間が広く見える白地、床はフローリング調で落ち着いた雰囲気。室内照明も天井埋め込み形のLEDとし、出っ張りを極力減らして見た目をすっきりさせた。「袖仕切り」と呼ばれる座席端の仕切りや荷棚、車両間の扉には強化ガラスを採用し、広々とした雰囲気を演出している。
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