名古屋発「フルーツ大福弁才天」驚きの誕生秘話

東京や大阪にも出店、2021年に50店舗の見通し

結果、広告代理店に転職した。配属先は営業制作。クライアントは飲食店が中心で、集客のためのPR戦略を提案して、ウェブ広告を制作するのが仕事である。よほど向いていたのか、わずか半年で全国に1000人いた営業の中でトップセールスとなった。

「入社時に400万円だった年収も1年で800万円に倍増しました。社会不適格者と言われた自分が社会的に評価されたと思いました。また、広告が集客につながったと飲食店のオーナーからも感謝され、プライベートでも遊ぶようになりました」

ところが、会社としては、少しでも大きな広告枠を販売してノルマをクリアするのが第一。しかし、クライアントにとって、それは必ずしも必要ではない。小さくても十分に成果が見込めるプランもある。そのジレンマに陥り、3年半勤めた広告代理店を退職した。

その後は、フリーランスとしてPR戦略を提案するコンサルタントとなり、クライアントに寄り添う形で広告を提案した。飲食店のみならず美容室やアパレルショップからも引き合いがあり、自分からセールスをすることは一切なかったが、約30社と顧問契約を結んだ。

「顧問料は1社当たり1カ月でだいたい10万円ですから、年収は2000万円以上。今でもコンサル業は続けていますが、この時点でお金儲けはもういいと思いました。それよりも、ビートルズの曲のように、ずっと人々に愛され、語り継がれるような作品を作りたいと思いました」

レシピサイトを参考に「求肥」を作ってみた

ある日、お気に入りの芋けんぴを買うために、名古屋市千種区の覚王山の外れにある芋菓子店を訪れたときのこと。ふと、店の隣に目をやると、「貸店舗」の張り紙が飛び込んできた。その瞬間、「ここで大福を売ったら面白いかも……」と思った。

芋けんぴ店が入っているビルは、タイル張りでレトロな雰囲気を醸し出していて、たしかに和菓子店が出店するにはぴったりの物件だった。しかし、それはPRコンサルタントとしてマーケティングに基づいた発想ではなく、直感的なものだった。扱う商品はいろんなフルーツを使った大福で、店構えや店内の雰囲気などすべて頭の中でビジュアル化された。絶対にこのアイデアを形にしようと決心した。

次ページ包丁すらまともに握ったことがないズブの素人だった
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