実際、徳洲会グループでも規模の小さい病院では、コロナ患者の受け入れが難しいという。前出の羽生総合病院は300床以上を有する。同病院は2018年に建て替えられ、それぞれの病棟が分離している。こうした建物の構造から、コロナ専用病棟が確保できた。月に200~300件の救急患者を受け入れる急性期病院のため、下地として充実した人員体制があった。
病床規模別の病院数の割合を見ると、設立母体によって大きな差がある。コロナの入院に用いられる一般病床と感染症病床を持つ民間病院では、200床未満の割合が9割以上だ。つまり、徳洲会や伯鳳会のような大規模な病床を備えるところは民間グループの中では少数派といえる。
回復患者の受け入れも課題に
日本の病院の約8割を占めるのが民間病院だ。 厚労省の資料によると、
こうしたことから、
病院間の役割分担として、中小規模の病院はコロナ患者が退院した後の受け皿となりうる。人工呼吸器などを付けていた重症のコロナ患者は、回復後もリハビリテーションが必要だからだ。
しかし、回復患者の受け入れ先となる病院が見つからないことが、病床逼迫の一因になっている。退院基準を満たした患者は感染力がないと認められるが、院内感染を恐れて受け入れを断るケースがあるからだ。こうした目詰まりを解消するため、政府は1月22日、回復患者を受け入れる病院に対して診療報酬をさらに手厚くすることを発表した。
市中での感染が広がるなか、直接コロナ患者を受け入れていない医療機関であっても、コロナからは避けられない状況だ。最前線に立つか、後方での支援に回るか、病院の能力に応じた陣形の組み立てが急務だ。
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