「戸籍上はまだ存命」130歳祖父からの衝撃相続 突然送られてきた手紙、血縁とは何なのか
突然の手紙、不動産の相続
勤め上げた会社を定年退職したばかりの私のもとに届いたのは、福岡県の弁護士からの手紙だった。
福岡に縁などないはずだが……。そう訝しがって開封すると、そこに書かれていたのは、つかみどころのない不動産相続の話だった。
A様のおじい様名義の自宅不動産が福岡県◆◆市にあり、相続登記がされないままです
私は父親の顔すら知らずに母子家庭で育った。そこにこんな手紙が舞い込んできのだから驚くほかなかった。
「おじい様」とは、母と離婚した父の父のことらしい。文面には、この家の石垣が崩壊し、隣地の住人が困って弁護士に相談に来たこと、このエリアは昨今開発が進む人気地区で、購入希望の不動産業者がいることも書き添えられていた。
とにかく詳しい話を聞かねば…。老いた母に相談することもはばかられ、私は慌てて記載された弁護士事務所に電話をした。
担当の若い男性弁護士によれば、父は福岡県に生まれ育ち、東京から嫁いだ母とは私が生まれて間もなく離婚。その後は死ぬまで独り身だった。
祖父には父の上に5人の娘がおり、全員が死亡しているため、私たち孫世代21人が代襲相続人となる。しかし弁護士が手紙を出して、返事を寄越したのは私だけだという。
お隣さんは、危険な石垣や、古い建物を解体してほしいのです。それに……