「戸籍上はまだ存命」130歳祖父からの衝撃相続 突然送られてきた手紙、血縁とは何なのか

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私は浮足立った。購入希望業者の提示金額は3000万円だというのだ。単純に計算して私には500万円もの相続分がある(3000万円を祖父の子ども6人で割った金額)。

しかし、そんな思惑は、弁護士が継いだ言葉で粉砕された。

実は、生きていれば130歳になるおじい様は、戸籍上亡くなっていないんですよ……

なんだって? 私の脳内に、たくさんの疑問符が浮かんだ。

おじい様は死亡届が出されていないのです。ですから、まずは法的に死亡を確定させる手続きが必要です

とんでもない話に巻き込まれてしまった。沈黙する私に弁護士はこう言った。

まずは失踪宣告(※1)の手続きをとります。Aさんが申立人となって、おじい様の死亡を確定させる手続きを行いますので協力してください

なんでも、7年以上生死不明の者は法的に様々な不利益があるため、失踪宣告という手続きによって「戸籍上死亡させる」のだという。

祖父は9年前に、居住実態がないとして行政によって職権消除(※2:住民票の削除)されており、年齢的に生存の蓋然性は著しく低い。

「法的な手続きは私に任せてください。ただし、いとこの皆さんへ連絡をとるのはAさんにお願します」

弁護士が手伝ってくれれば何とかなるだろう。私は頷いた。

会ったこともない、いとこが20人!

法律上の手続きは弁護士に一任したが、いくら血縁のいとことはいえ、総勢20人にも及ぶ見ず知らずの者に、何と切り出せばいいのか?

金の絡む話である。よからぬことを言い出す者もいるだろう。まずは隣人へ謝罪もしなくては……。

思い悩む私に、弁護士は手紙の内容を一緒に考えてくれた。突然の手紙を詫び、私が東京に住む最年少のいとこであることと、両親の離婚によって親戚づきあいがまったくできなかったこと、そして件の未相続の不動産について触れた。

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