成功者に「嫉妬の炎」を燃やし続けよ

「身の程知らずな欲望」が人生にコクを添える

「身の程知らずな欲望」をどうすればよいのか?

そして、どうもあなたは努力をすることがダメなようですから、普通考えられる「解決」は第1の「身の程知らずな欲望」を捨てることです。もっとも、捨てなくても、ずっとこのまま努力はしないで、死ぬまで嫉妬にのたうち回る人生を送る、という生き方もあります。

つまり「死にもの狂いの努力をして、他人から評価されるような〈知的なもの〉を獲得する」という道がふさがれている以上、あなたには次の2つの選択肢しか残されていません。

① 「身の程知らずな欲望」を捨てて、もっと現実的な欲望に切り替えること。

② 「身の程知らずな欲望」を抱えたまま嫉妬と恨みと憎悪と自己嫌悪にまみれた人生を送ること。

こう書いてみると、①よりむしろ②の人生のほうがコクがあって面白そうですね。ここで、ほとんどの評論家は①を勧めるでしょうから、私は②をお勧めしたいと思います。まだ若いのですから、これからの長い人生を「身の程知らずな欲望」を抱えたまま、あらゆる知的な人に対して、とりわけ知的分野の成功者に対して、嫉妬の炎を燃やし続けるのです。これをこれから10年、全力で続けられたら大したものです。あなたは、自分の内に常人にはない何か特殊な才能を見いだすかもしれません。

以上は、冗談でも何でもなく、長く人生を渡ってきてわかることですが、「身の程を知った」無難な人生ほどつまらないものはない。身の丈に合った小さな幸福を求めて、それを努力して手に入れ、満足して死ぬほどバカげたものはないからです。人生、芥川賞を取っても、ノーベル賞を取っても、その結果、天皇陛下主催の園遊会に招かれてもむなしいことは確かですから。といって、いま言いましたように、小成に安んじて生きるのも、鳥肌が立ち胃が痛くなるほどくだらなく、人のために生きるのは気がつかないところで醜悪な自己欺瞞が濃厚に立ち込めている。自分は「人に役立つことをしている」という驕り(プラス世間の評価)がすべてを見えなくさせている。

ですから、あなたのように、「身の程知らずな欲望」を抱いて、そのまま死ぬという生き方は、誰にも迷惑をかけないし、自分のダメさ加減を知っているし、永遠に報われないという清潔感も兼ね備えていて、けっこう、すばらしいのではないでしょうか。ぜひ、あきらめないで、どこまでもこの道を突き進むことをお勧めします。

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