マーク・アンドリーセンが誰かを、今更、説明する必要はないだろう。
ウェブ・ブラウザの発明家にして起業家、そして最近はベンチャーキャピタリストとして、シリコンバレーから世界へ旅立つ数多くのスタートアップを育てている。
振り返ってみれば、アンドリーセンは現在のテクノロジー業界の基礎を生み出し、そして新しいアイデアや起業という思想的、社会的な意味でも、この業界をリードしてきた人物である。
アンドリーセンの存在は、現在のシリコンバレーの誕生と切っても切り離せない。1995年のネットスケープのIPOは、ここの歴史を語る際に忘れてはならないターニングポイントだ。これによって、シリコンバレーに新たな資金が流入し、既存の企業が本気でテクノロジーに取り組み、才能あるテクノロジー関係者がここに集まるようになったからだ。そしてアンドリーセンは今、テクノロジーの行く末を占うご意見番としても多くの注目を集めている。
ネットスケープ創業、投資家としてもブレイク
アンドリーセンは、すでに9歳の頃からプログラミングを始めていた。図書館で借りた本を見ながら独学で学び、高校生になる頃には、当時、手に入る初歩的なパーソナルコンピュータでできることをやり尽くしていたという。入学したイリノイ大学ではもちろんコンピュータ科学を専攻。だが、ここでも授業が退屈で仕方がなかったという。
そのアンドリーセンが関心を持ったのは、スイスの物理研究所CERNから聞こえてくる話だった。そこの研究者がワールドワイドウェブというものを開発して、研究者らの間でさまざまな情報交換ができるようになっているというのだ。
アンドリーセンは仲間を集めて、そのワールドワイドウェブをグラフィックに見られ、簡単に操作できる仕組みを開発しようと乗り出す。週に80時間も作業をしながら、チョコレートチップクッキーと牛乳を押し込みながら数カ月後に完成したのが、ブラウザ「モザイク」だった。
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