マクラーレン「GT」、2700万円の実力を徹底試乗 ゴルフバッグ2個が載るスーパースポーツ誕生

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GTには、グランドツアラーのあるべき姿がマクラーレンの最新デザインで完璧なまでに表現されている。それは、まるで空気の心を読むかの如くである。そのボディラインは、ほとんどが有機的な曲線で構成されていることがわかる。

ボディの真正面から受けた空気は、フロントスプリッターによって上下に分けられ、4ヵ所のエアダクトに入るものと、フロントボンネット上に導かれるものに分けられる。ボンネットから美しい曲線のフロントグラス、そしてAピラーへ。わずかに曲線を描くルーフトップを越えると、緩やかな傾斜を描くトランクリッドハッチゲートにたどり着き、最小限ながら最大限の効果を持つリアスポイラーでボディに別れを告げる。

フロントスプリッターから車体下部へ導かれたエアーは、フラットボトムパネルからサイドシル方向へ流れ、後端のディフェーザーに向けてその流速を速めてダウンフォース効果を生み出しながら排出される。両サイドでは、フロントスプリッターとフェンダーで整流されたエアーが、マクラーレンの代名詞であるディヘドラルドア真後に大きく開けられた左右のインレットに入り、強大な出力を誇るエンジン冷却のために吸い込まれていく。

GTは、リアのエンジン上部にラゲッジスペースを確保しているため、トランクリッドハッチゲートが長く、同社「720S」のようなダイナミックなスポイラーを持たない。そこで720Sに比べて150mmほど車体全長の伸ばし、4683mmにすることでエアロダイナミクス性能を向上させているのだろう(東洋経済オンライン編集部撮影)

使い勝手も良好なドアとエレガントな内装

GTのディヘドラルドアは開口部分が大きく、乗降はとてもしやすい。しかもマクラーレンのアイデンティティのひとつでもある、カーボンモノコックシャーシ「モノセルⅡ-T」の秀逸な自動車工学デザインにより、適切なサイドシェル形状でドライバーやパッセンジャーへ必要以上に負荷もかからない。意外なほどコツもなく、自然に乗り込める。

「リュクス」と名付けられたインテリアオプションと本革シート採用の内装は、正統派デザインとトレンドのデザインを融合させ、華美にならないエレガントさが魅力的だ。このあたりの作り込みは、高級スポーツカーの極みとも言える仕上がりで、ドライビングで多くの時間を過ごすことになるグランドツアラーとして最上の要件を満たしている。

ディヘドラルドアの外側にドアボタンがあり、それを押し込むとドアがカチっという音と共に浮き上がる。後はドアの内側に手を添えてやればガスダンパーの力で軽くドアが上がってくれる(東洋経済オンライン編集部撮影)
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