そして、多くの人が知る故アイルトン・セナとアラン・プロストがドライブするマクラーレン・ホンダの活躍が記憶に残る。マクラーレンは、現在もF1において重要なチームのひとつに変わりなく、さまざまなレギュレーションに対応しながら飽くなきエンジニアリングの追求と、チャンピオンシップへのチャレンジを続けている。
現在は「McLaren Racing Limited」がF1活動を行い、マクラーレンのグループ会社「マクラーレン・オートモーティブ」が公道走行可能なロードカーをサリー州ウォーキングでハンドメイド生産している。そのマクラーレン・オートモーティブは、公道走行マシンの販売において、2020年末の時点で35ヵ国へ輸出し、最大のマーケットであるアメリカを中心に103店舗のディーラーネットワークで販売を行っている。
生産台数の推移としては、2012年の1553台からはじまり、2018年には4831台まで生産を伸ばした。2020年は、COVID-19の影響もあり、1700台に落ち込んだが、2021年はArturaという超高性能ハイブリッドモデルと新型765LTの導入で3600台の生産を予定。長期的には、年間5000台を安定供給する計画だ。
マクラーレンのロードスポーツカーとは
マクラーレンの市販車は、大きく分けて4つのセグメントでユーザーニーズに対応している。トップセグメントは、「アルティメットシリーズ」で限定車や1000馬力級の超高出力高性能のマシン群だ。「スーパーシリーズ」はいわゆるスーパーカーカテゴリー。そのほか、エントリーモデルセグメント「スポーツシリーズ」、初のグランツーリズモ「グランドツアラー」と4グレードを用意している。
そんなグレード構成の中で今回試乗したのは、マクラーレンの中でもどちらかと言うと長距離を走り込めるマシン「マクラーレンNEW GT」(以下GT)だ。GTは、その名のとおり「グランドツアラーコンセプト」で、マクラーレンTokyoによると「ロンドンからバルセロナまで片道1600kmを快適に」というテーマがあるそうだ。グランドツアラーと銘打っているが、本当にそこまで走り込めるのか? 楽しみになってきた。
深みのあるブルーメタリック「Namaka Blue」にペイントされ、目の前に佇むマシンは、ロー・ワイド・ロングのスーパーカーそのもの。とはいえ、その美しいボディシェイプには、大袈裟なエアロパーツはなく、大人に嬉しいシルエットで、とてもエレガントな印象を受ける。
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