「空腹20分運動」で健康な体になれると考える訳 オートファジー効果で筋肉量キープする運動法

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私が提案している運動法はシンプルです。最後に食事をとってから12時間後~16時間後、この4時間の間に運動をすることです。上半身、下半身、20分程度、全身の筋肉を軽く動かす程度で構いません。これを週2回ほどやるのが理想的です。

なぜ、この空腹時、しかも最後の食事から12時間後以降に運動をするといいと考えられるのか。

その理由は「空腹の時間中に運動を行うと『オートファジー』が活発化することが、近年明らかになってきたから」です。

オートファジーとは簡単に言うと、「古くなったり壊れたりした細胞内のタンパク質を集め、分解し、それらを基にエネルギーを作る」という、体のシステムのことです。オートファジーが起こると、古くなった細胞内のミトコンドリア(呼吸を行い、エネルギーを作り出す重要な器官)も分解されて生まれ変わり、体にとって不要なものや老廃物が一掃され、細胞や組織、器官の機能が活性化します。

つまり私たちの胃や腸、肝臓、腎臓などにある細胞がリセットされ、新しい細胞に生まれ変わると考えられているのです。このオートファジーが始まったタイミングで運動を行うと、その部分でオートファジーが活性化することも最近の研究でわかってきました。

そのため、運動をするなら「筋肉量の維持+細胞をリセット」できる空腹時の運動が、効率的ではないかというわけです。

オートファジーは、どのタイミングで始まるか

「オートファジー」に関する論文は、2020年になってから世界の医学誌で次々と発表されました。例えば、「オートファジー効果が高まれば、心臓の細胞が正常に保たれ心臓病のリスクが下がる」「オートファジーが起きないと脂肪肝になる」などが研究結果の1つです。

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さて肝心のオートファジーですが、体内でいつから始まるかというと、最後に食事をとってから12時間後(睡眠時間を含んでもよい)からと言われています。加えて、オートファジーをしっかりと働かせるためには、最低16時間程度の空腹の時間が必要ともされています。

もし前日の夜19時に食事を食べ終わったなら、翌日の朝7時ごろからオートファジーが始まり、11時頃までにかけてオートファジー効果が高まっていきます。朝7時から11時ごろまでの間に運動をやれば、オートファジーが加速。体内の内臓やさまざまな場所で細胞がよみがえり、免疫、血管、自律神経などによい効果をもたらすと考えられます。

ほかにもヘモグロビン値が下がった、体重が減った、血糖値・血圧が下がったという事例が報告されています。

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