「大切な人との別れ」が辛い人に伝えたい7名言 深い悲しみと向き合っていくためのアドバイス

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それでも私たちが賢くあり、喪失の神聖な大地に何度でも踏みこんでいく勇気と心の支えに恵まれるなら、悲嘆に振り回される日々はいずれ終わります。悲しみをある程度自分でコントロールする余裕が生まれるのです。

必要なら危険地帯から引き返し、心がしっかりするまで離れていられるようになります。涙が頬を伝うたびにおぼれてしまうのではと恐怖に駆られることはなくなり、そのしょっぱさを味わう余裕すら生まれるでしょう。

なぜなら喪失の痛みと亡き人への愛は表裏一体であり、痛みに胸を貫かれるとき、私たちは宇宙の神秘のなかで故人と断ち切ることのできない絆で結ばれているという思いを新たにするからです。

「本質的なものというのはけっして死なず、物事を明らかにする」と劇作家のソーントン・ワイルダーは書きました。「死者への最高の手向けは悲しみではなく感謝だ」とも述べています。

いずれ私たちは右も左もわからない悲嘆の世界で、道を見いだすでしょう。人生から悲しみの色が完全に消えることはないかもしれません。しかし亡き人とわかちあった人生を祝し、亡き人が見守ってくれていると信じて未来に希望を抱く強さと能力は、いつかきっと身につきます。

悲しみはなくならないが、向き合うことはできる

私たちはみな喜びと悲しみの体験をもとに語り、物を書きます。私も作家として人として、死別の悲しみに揺さぶられてきました。

なかでも一六歳だった娘メアリの死には、二度と立ち上がれないのではないかと思うほど打ちのめされました。娘はコロラド州のロッキー山脈で家族旅行を楽しんでいたあるうららかな夏の午後、落馬し、命を落としたのです。もうずいぶん昔の話になりました。

悲しみと向きあうには時間がかかりますし、残された者はしばらくのあいだ、悲しみから一瞬たりとも自由になれません。

大切な人を亡くして日が浅いうちは集中力が続きません。長く考えるよりも小さなヒントがいくつもあるほうが、思いやアイデアにつながります。一日の分量は短いですが、古くから言い伝えられ、力の詰まった言葉を選んでいますので、毎日噛みしめながら読んでいただければ幸いです。

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