いまだに「マスクに基準がない」という大問題 アメリカではようやく規格づくりが進んでいる

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「0.3ミクロンで20%の効率ということは、1から2ミクロンの粒子では50%の効率ということになり、粒子をブロックする効率が80%の場合は、4から5ミクロンもしくはそれ以上の粒子ということになる」とマー氏は言う。「この数値のマスクであれば有用だと言える」。

マー氏によると、コロナウイルス自体は0.1ミクロンではあるが、だいたい0.5ミクロン以上のエアロゾルに包まれて運ばれる。

信頼できる研究所での製品テストが必要

基準策定の助手を務めているジェフリー・スタル氏が語るには、作業部会は「呼吸しやすさ」の点でもマスクとフェイスカバーを評価していくという。基準策定プロジェクトは長期にわたる仕事だった、と彼は話す。

ASTMの規格を満たしていると表示するには生産業者はまず、自社製品を信用のある研究所で製品テストをしてもらう必要がある。また、マスクが国民の多くに十分にフィットすることも示さなければいけない。これをクリアできた場合、製品あるいはパッケージにASTMの規格を満たしていると表示することができる。ただし、表示は強制されるものではない。

ハーバード大学の政治学教授、ダニエル・カーペンター氏はNIOSHの基準を策定する仕事を「規制における起業化精神」と呼んだ。

「『たとえ正式な規制の道具を持っていないにしても、今持っている道具を使おう』と言っているようなものだ」とカーペンター氏は話す。「これは従来とは違う規制のあり方で、これによって極めて重要な規制効果を得ることができる。なぜならもし基準を満たしていなければ、承認の印を得ることができないのだから」

フリーム氏もこの基準が広まることを期待している。「今回できた基準は非常にいいものだ」と同氏は話す。「製造業者はこれに合わせて製品をデザインするだろうし、市場に出荷する製品とパッケージにも規格を満たしているか表示するだろう。消費者もその商品を信頼することができる」。

「ショッピングサイトで売り出されている多く、そして、隣人の車庫で作られているような製品の多くはこの規格を満たすことはできないだろう」

(執筆:Sheila Kaplan記者)

(C)2021 The New York Times News Services

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