「感情」の地政学 ドミニク・モイジ著/櫻井祐子訳
国際情勢を動かす真因は、経済でも軍事でもなく、非合理で主観的な「感情」である--。本書は新たな分析パラダイムを提示し、「感情で動く世界」の全貌を描き出そうとする。
「恐れ」「屈辱」「希望」の三つの基本的感情に焦点を当てる。その理由は、この三つの感情が「自信」という概念と切り離せないからだという。
「恐れの文化」にとらわれ続けるアメリカ。ヨーロッパも移民などの「他者」におびえ、「恐れの文化」を共有する。
その西洋世界への歴史的屈従から「屈辱の文化」に揺れるアラブ・イスラム。中国、インドの急速な経済成長に導かれる「希望の文化」に満ちたアジアでは、ただ一国、日本だけが「恐れの文化」に属する。
2025年の世界情勢を具体例に、そのとき、中・印・パの「恐れ」がアジアを覆い、日本は「核」を保有するとも。
ヨーロッパを代表する国際政治学者が解き明かす。
早川書房 1785円
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