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感染爆発の先に待つコロナ不況「最悪シナリオ」 今の苦境を予測した男が読む日本経済のリスク

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  • 鈴木 貴博 経済評論家、百年コンサルティング代表
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ただ、全体的に言えばまだかなりの企業が政府や銀行の支援を受けながらなんとか持ちこたえている状況です。これがこの冬の緊急事態宣言で頼みの綱が切れそうなギリギリのところまできてしまっています。いまのところ菅内閣から具体的な新規支援策は提示されていないこともあり、緊急事態宣言の冬を通じて新たな破綻企業が出現するリスクは相変わらず残っていると思います。

もうひとつ私の予測が外れたのが株価です。昨年、新型コロナのパンデミックが起きた当時、それまで2万4000円台だった日経平均が急落しました。しかしそれは行きすぎだと分析して私は「日経平均の下限は悲観的に見ても1万9000円のラインだ」という予測を提示しています。

そこまでは正しかったのですが、私は2020年の株価は2万円弱のラインで低迷すると考えていました。それが外れて株価は上昇を続け、年始段階で日経平均は2万7000円を超えるラインまで到達しました。

マネーの需給で株価が上がる力が強かった

日本だけでなくアメリカの株価も上昇しています。経済のファンダメンタルズがコロナで打撃を受けたことよりもマネーの需給から株価が上がる力のほうが強かったということでしょう。ただ日米ともに新型コロナ第3波で経済がまた大きな打撃を受けることは間違いないでしょう。

株式投資の最大のリスクは、投資した企業が破綻して株が紙切れになってしまうことです。市場全体のインデックスが上昇しているからといって、自分が株主になっている企業が危うくなってしまえば元も子もないわけです。ですから2021年のどこかで再び株価が下がるリスクはまだ残っています。

ただもうひとつ違った観点で私の株価予測は外れそうです。「将来のどこかのタイミングでパニック売りが出る」と予測したのですが、企業倒産が相次いだとしても意外とリーマンショックのときに起きたようなパニックによる大幅な株価の下げは2021年についてはないかもしれません。理由はAI(人工知能)です。

これまではコロナショックのような不意打ちの不況が訪れると、株式市場にパニックが起きるのが通例でした。そこで「パニックで株価が下がれば買いだ」という人間心理の裏をついたセオリーで儲けることもできたわけです。実際私はリーマンショックで半値まで下がったグーグル株を買って大きく儲けた体験があります。

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【パニック売りを狙った投機チャンスは過去のもの?】

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