感染爆発の先に待つコロナ不況「最悪シナリオ」 今の苦境を予測した男が読む日本経済のリスク

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ご存じのとおりこの秋、コロナの第3波が危惧された時期に菅内閣は最後の最後までなんとかGoToキャンペーンを継続しようと努力しました。最終的に国民の声や知事たちの声明に押されて全国停止に踏み切ったのが12月28日でしたが、それまでの間、経済を回すためになんとかGoToを使い続けてほしいというのが、政府のスタンスだったわけです。

「コロナで最初に大きな打撃を受けるのが航空業界、観光業界、飲食業界そしてイベント業界だ」という予言も的中したのですが、予言が外れた部分についてもしっかりと反省しておきたいと思います。

実は私はGoToについてここまでの規模で政府が対策に踏み切るとは想定していませんでした。書籍の中では否定的に「最大被害を受ける業界がこれまで日本経済再生のカギだと言われてきた業界に集中している。それはインバウンドであり、クールジャパンであり、おもてなし産業です。持ち上げられてきた割にはここまでの政府の対応は冷たいと感じざるをえません」と政府を批判していたほどです。

ちょうど書籍の原稿を書き上げた時期に政府が「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」を閣議決定したというニュースはあったのですが、当時はひとり10万円の特別定額給付金が実現するかどうかも不透明で、持続化給付金が対策の本命だと私は見ていました。政府がここまで踏み切って観光業界、飲食業界を支援するとは想定していなかった。ここは反省点です。

大型倒産が相次ぐかもしれない

ただその点に関連して、まだ必ずしも外れたわけではない予言が残っているという点については今後気を付けなければいけません。それが「2020年の秋以降、大型倒産が相次ぐ」というものです。

飲食業界では残念ながら新型コロナの影響で2020年に過去最多の780件が倒産しています。アパレルも苦境が続いていて、昨年には大手のレナウンが倒産したことが思い出されます。「LCC(格安航空会社)が真っ先に危ない」という予測に関してはエアアジア・ジャパンが破産申請、韓国のイースター航空が経営危機、タイのノックエアラインズが経営破綻という形で現実になってはいます。

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