コロナ禍の「自宅DIY」に立ちはだかる意外な壁 求められる「住宅履歴」の適切なメンテナンス

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オペレーターに品番を伝えて「水栓を交換したいので取替品を教えてほしい」と要件を伝えると「TLP31だけで60種類以上あるので枝番を教えてほしい」と聞かれた。

「保証書にも取扱説明書にもTLP31としか書かれていない。どうやって調べれば良いのか」と聞くと「混合栓の本体に書いてある」というので、改めて調べたが「TOTO」という文字しか確認できない。

「正式な品番が分からないと取替品をお調べできないので、専門業者を呼んで調べてもらってください」と言われたので驚いた。「品番を調べてもらうだけで専門業者は呼べませんよ。ネットで調べられる詳しい商品カタログはないんですか」と聞くと、少し待たされて「“コメット”で検索すると、専門業者向けのカタログサイトが出てきます」と言われ、電話を切った。

交換作業が困難だったワケ

建築専門家向けサイト「TOTO:COM-ET」はすぐに見つかった。このサイトでTLP31と入力すると、34件がヒットした。すべてが「販売終了」となっていて8割の商品に写真が付いていない。うち24件には取替品が表示されていたが、確かに枝番を含めた品番がわからないと、どの取替品を選べば良いのかがわからない。

自宅近くにある専門業者が利用している金物店に相談しに行くと、管工機材・空調関連資材の総合卸商社「ムサシノ機設」を紹介してくれた。スマホで水漏れした混合水栓の写真を撮り、保証書などの書類を持っていくと、親切な対応で取替品を探してくれた。翌日には新しい水栓金具を取り寄せ、無事にDIYで交換作業を終えることができた。

今回の経緯をTOTOの広報部に問い合わせると、次のことが判明した。

  • ①正式な品番は水栓金具の見えるところにシールで貼り付けているが、20年以上経過していたのでシールが剥がれ落ちたと考えられる。
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  • ②部品の種類が非常に多いので、保証書・取扱説明書は兼用で、枝番ごとには作成しておらず、品番は保証書にも記載していない。
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  • ③お客様相談室では、品番がわからない旧型部品は写真を撮ってメールで送ってもらえば調べて回答するように対応している。
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