聴衆の意表を突いた、キャメロン英首相 田坂広志 多摩大学大学院教授に聞く(4)

キャメロンの「意表を突く戦略」
――田坂教授は、ダボス会議において、イギリス首相のデーヴィッド・キャメロンのスピーチも、しばしば聴かれたと思いますが、その印象は、どうだったでしょうか?
キャメロンのスピーチは、何よりも、2011年のダボス会議での、「首相としてのデビュー戦」のスピーチが、印象に残っていますね。
「鮮烈なデビュー戦を飾った、若き国家リーダー」
それが、デーヴィッド・キャメロン・イギリス首相の、最初の印象ですね。
もともと、ダボス会議というのは、国家リーダーにとっては極めて重要な会議なのですが、特に、就任したばかりの大統領や首相にとっては、世界のトップリーダー2500名の前で最初のスピーチをする「デビュー戦」という意味で、極めて重要なのですね。
しかし、このデビュー戦で、失敗した例もあります。