2021年の「ワクチン相場」で勝つ2つのポイント 半年ほど先も見すえながら株式投資をしよう
日経平均株価は、2万7444円で2020年の取引を終了した。年末の終値としては、なんと31年ぶりの高値水準を記録した。
日経平均が1991年に2万6000円を割り込んだ際には、回復にここまでかかるとは思わなかった。一方で2020年3月に1万6000円台まで下落した時には、まさかここまで急上昇するとはとても思えなかった。
新型コロナウイルス感染症の拡大は世界経済に大きな影響を及ぼしたいっぽう、主要国の金融当局をそろって未曾有の金融緩和に踏み切らせることになった。金融市場におけるかつてない規模の過剰流動性が株式市場への資金流入を促した。大規模な財政出動を伴う経済対策とも相まって、典型的な「不景気の株高」を演出したのだろう。
ワクチン実用化進展で業績回復への期待が継続
しかし、すでに局面は変わりつつある。かねてから期待されていた新型コロナウイルスのワクチンが開発され、欧米では予防接種が開始された。
長いトンネルの先にひと筋の光明が見えてきた。足元では内外で感染再拡大の様相を強めており、実際にワクチンがどの程度の早さで市民に行き渡り、効果を発揮するのか、不透明な部分は多い。それでも、開発への期待だけが先走っていたこれまでとは少し様子が変わってくるだろう。
株式市場は「半年ほど先の経済や企業業績を織り込みながら動く」と言われるが、夏までにはすでに日本でもワクチンの接種が始まっているだろう。人々の動きや経済活動は少しずつ活発になりそうだ。そして、株式市場が最も注目する企業業績については、回復に向かうものと、そうでないものとの差が鮮明に現れてくるだろう。
その意味でも重要なのは今後の企業決算だ。5月の半ばには3月期決算企業の2021年3月期の決算発表が一巡する。そこで示される2022年3月期の業績見通しが、株価の方向性を大きく左右する。このように先を意識しながら、今は投資対象を考える時期だ。
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