インド人スタッフと雇用契約を結ぶ際の注意点とは?
私が最初にそれに引っかかった時は、デリーの街中の個人商店でしたが、小学校低学年くらいの子供が店番をして、その子の親と思われる店主は奥にいました。20ルピーを払いよく冷えたボトルを受け取り、ふたを開けようとすると、「あっ」。パキパキと音を立てるはずのキャップがするりとまわせてしまうのです。50メートルくらい通りを歩いた後でそれに気づきました。
私は、ため息をつき笑って捨てるしかありません。特に観光スポット周辺の商店はよくあるようです。接着剤を塗ってキャップを閉めている場合もありますが、これは逆に不自然に固かったりします。だまされないためには、スーパーマーケットなどのちゃんとしたお店は別ですが、買ったその場でふたを回して確認する必要があります。
契約書はありませんが、これも「売ります」「買います」という合意のもとで行われるある種の契約行為で、チェックが必要だということです。
私はだまされたことになるのですが、さて、これは詐欺と言えるでしょうか。
もし、「『ビスレリ』(インドの有名なミネラルウォーターの銘柄)をください」といって取引が成立しているのであれば、詐欺に当たりますが、私は「This one, please」と言って指差して買っただけです。
売った側が「最初から水道水を売りたかったんだ。たまたまそのボトルが『ビスレリ』だったんだよ。そしてたまたま『ビスレリ』と同じ値段だったんだよ』と言い訳をいえば、詐欺には当たらないわけです。
このように日常にあふれる契約行為は実にあいまいなもので、グレーゾーンです。このグレーゾーンを上手に利用するのがインド人です。インドでは「交渉」と「詐欺」の境目が、モヤモヤしています。これも、彼らに言わせれば「駆け引き」「値段交渉」なのです。
ここで重要なのは「グレーゾーンをなくす」「遠慮せず確認する」「怒らない」ことです。