『ハート・ロッカー』--次の経済成長エンジンは中東か 《宿輪純一のシネマ経済学》
『アバター』がSF映画でインディアンをイメージさせるのに対し、ハート・ロッカーはリアルな世界のイラク戦争であり、その点では、アメリカの愛国的な内容である(オバマ政権は中東への派兵を継続している)。
経済成長は、“西”に向かうと考える。欧州→米国→日本→中国→アジア諸国→インド→中東→北アフリカと経済の中心は移行しつつあるのではないか。その点でインドの次は中東になる可能性もある。
中東といえば、日本から見ると地理的に遠い。そして、まずは原油、イスラム教、砂漠などのイメージが強く、あの男性の白い、そして女性の黒い民族衣装は、日本人には何となく“遠い”。つまり、中東は「遠くて遠い」のである。
原油や天然ガスによる中東の外獲得能力は著しい。得られた外貨は、政府系ファンドSWF(ソブリン・ウエルス・ファンド)となり世界を闊歩したのは記憶に新しい。ドバイ・ショックなどはあったものの、経済成長率は概してみれば、日本はもとより実はアジアより高い。
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