石田ゆり子が「逃げ恥」抜きでも魅力あふれる訳 強さを押し出さずともほんとうの自由を感じる

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『望み』や『サイレント〜』の取材をしたとき、石田さんが愛される理由がすこしだけ実感できたような気がした。反応がすこぶるナチュラルなのだ。「2020年は、ほぼ悲しい物語を撮っていたんです」(『サイレント・トーキョー』パンフレットより)と言ったときにほんとうに素直にちょっと悲しそうな表情をした。

「演じることは心の筋肉を使う」と語ってくれた石田さんに、自分の身体感覚に正直に生きている印象をもった。天然な雰囲気を出して場を和ませつつ、最終的にきちっとテーマに沿った話にまとめてくれる配慮もあって、こちらが熱意をもって聞くと、「ん~…」と考えたりしつつちゃんと答えを出してくれる。「望み」で夫役を演じた堤真一さんとの対談のときは、堤さんを立て、自身は天然キャラとしてほっこり笑いを振りまきながら、語るところは語る。雰囲気づくりのうまさに舌を巻いた。

強さを押し出さずとも

ジェンダー問題が問われるいま、男性優位な社会ではなく、女性がしっかり発言し行動していくことが重要視されているが、強さを押し出さずとも、それが可能であることを石田さんに感じた。

2021年、年明けに放送される『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル‼』(1月2日よる9時〜 TBS 系)での百合ちゃんはどうなるのだろう。公式サイトでは、年下恋人とすでに別れているとか……。百合ちゃんにも、石田さんにも、おひとりさまの砦でいてほしいけれど、そうでないといけないというような感覚も石田さんにはないような気がする。

石田さんの魅力は、既婚とか未婚とか、こうでなくてはいけないとか、そういうカテゴリーがいっさいない、ほんとうの自由を感じるところにある。これからの時代は、ますますそういう生き方が主流になっていく気がする。

木俣 冬 コラムニスト

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きまた ふゆ / Fuyu Kimata

東京都生まれ。ドラマ、映画、演劇などエンタメ作品に関するルポルタージュ、インタビュー、レビューなどを執筆。ノベライズも手がける。

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