E3で見せた、ソニーPS4完勝のシナリオ 前世代で躍進したマイクロソフトは苦戦

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米ロサンゼルスで毎年6月に開催されるコンピュータゲームの祭典「E3」は、ゲーム機メーカー、そしてゲームソフト会社にとって重要な所信表明の場になってきたが、今年、2014年も現時点におけるゲーム業界の勢力地図を反映したものになった。

2013年末にソニーとマイクロソフトが久々の新世代ゲーム機を発売して以来、勢力地図は大きく書き換わってきた。それは「ソニーの躍進」、「任天堂の停滞」、そして「マイクロソフトの凋落」である。

販売台数で大差

米VGChartzが発表するゲーム機累計販売台数によると、5月末時点でPS4が全世界で808万台を販売し、発売が先行していたWii Uの632万台を抜き去っているのに対し、Xbox Oneは(日本でのビジネスが始まっていないことも多少は影響しているが)457万台。

前世代においてマイクロソフトはソニーのPS3よりも1年早くXbox 360を投入し、またネットワークゲームサービスにおいて先行したことで、初代XboxにおいてPS2にボロ負けしたときの雪辱を果たしたものだった。友だちと一緒に遊ぶネットワークゲームの場合、先に多くのユーザーを集めてコミュニティを強化した方が有利となる。ソニーのPS3はその後、ネットワークゲームのための機能、サービスを充実させたが、製品サイクルの後半になるまで巻き返すことができなかった。

ところが今世代はまったく逆の様相でマイクロソフトが追い詰められている。ソニーはPS4にゲーム画面やプレイ動画を簡単にアップロードする仕組みを提供。ゲームを遊んでいる様子をリアルタイムに放送することもできる。こうすることで、ネットワークゲームのコミュニティを強化し、ゲーマーにより魅力的なネットワークゲームの”場”を提供したのだ。今回のE3では、この機能がさらに強化されることが発表され、YouTubeを通じた動画共有、放送が可能になる。

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