ソニーの命綱「スマホ」はどこへ行くのか 鈴木国正執行役が語るソニーのモバイル戦略

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「防水」がソニーの特徴でもある(ロイター/アフロ)
スペイン・バルセロナで2月24日から27日まで開催されたモバイルワールドコングレス(MWC)。新しいスマートフォンが多数発表されるこのイベントで、アップルを除く各社は今年の主力となる製品を発表した。今年は、大画面や高速化といった従来の評価軸における性能・機能の向上だけでなく、スマートフォンの周辺機器としてウェアラブル機器との連動を訴求するメーカーが増えた。
しかし、ウェアラブル機器、あるいはスマートフォン自身から集まる活動履歴を集め、データの分析、表示などを行うための業界標準プラットフォームがない。そうした中にあってソニーは開発情報を開示して他社製デバイスとのつながりを深めていく方針。帰国したソニーモバイルコミュニケーションズ・プレジデントを務める鈴木国正ソニー執行役に、MWCでの発表意図などを聞いた。

4K撮影機能を搭載

――昨年は”Best of Sony"を掲げ、日本と欧州の売り上げを伸ばしました。

”Best of Sony"を名ばかりとはせず、本当に価値のあるベストなキーテクノロジーをスマートフォンに盛り込んでいくのは容易ではない。しかし容易ではないからこそ載せていく。

新商品のXperia Z2で言えば、4K対応ビデオ撮影機能であり、騒音を98%低減するノイズキャンセリングと対応の高音質イヤホンがそれに相当する。いずれもハンディカムの開発者とウォークマンの開発者が直接関わり、機能を搭載するだけでなく、その質を追求している。言うまでもなく、ここはこれまでと同様に取り組んでいく。しかし我々が取り組んでいるのは、”Best of Sony"ばかりではない。

まずインターネットを通じて提供するサービスの作り込みを、スマートフォンの開発と並行して行ってきた。これはSEN(ソニー製品と連動する映像・音楽配信サービスで、プレイステーション向けサービスと共通化されている)やPlay Memories Online(ソニー製品やスマートフォンと連動する写真共有サービス。こちらもプレイステーションネットワークと共通化済み)など。これらサービスとの連動性を高め、スマートフォンの機能としてふんだんに盛り込んでいる。他のソニー製品もこれらのクラウド型ネットワークサービスを通じてシームレスにつながっていく。

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