ソニーの命綱「スマホ」はどこへ行くのか 鈴木国正執行役が語るソニーのモバイル戦略
もうひとつは、積極的にオープン技術を採用し、また提案していく取り組みだ。NFC(非接触型無線通信)を通じて他製品とワンタッチでスマートフォンが繋がる仕組みを提供しており、100種類を越えるソニー製品がNFCを搭載している。Xperiaにも必要なアプリケーションを導入しておくことで使いやすさを高めている。
このように、我々のスマートフォン戦略はハードウェア機能だけに特化しているのではない。まとめるとハードウェア機能ではBest of Sonyを搭載し、さらにインターネットサービスの作り込み、NFCの活用を行う。この3つの取り組みによって製品としての魅力を高めている。
オープンに他社とも連動
――その中でソニーモバイルネットワークスが提案するウェアラブル製品のコンセプトとしてSmartWear Experienceを披露しました。
SmartWearそのものは、オープンに他社とも連動できるよう考えているもので、位置付けとしてはNFCの取り組みに近い。ソニー製品だけの組み合わせで何らかの世界を描くのではなく、ソニー製品を含むさまざまなデジタル製品が存在する中で、新たな価値を生み出す”場”を作るための取り組みだ。
我々はこれまでに情報を伝える”アウトプット”としてSmartWatch 2を提供してきたが、今回のMWCでは”インプット”する情報を記録するCoreを発表した。これらにLifeLogアプリを組み合わせることで、顧客の視点でもUXの広がりが出てくる。スマートフォンは今や音楽を聴く道具であり、写真を撮影する道具であり、映像コンテンツを愉しむ道具。様々な情報、行動の履歴が集まってくる。
――NFCはソニーグループ全体の取り組みだが、SmartWearにもスマートフォン以外のソニー製品がつながっていく?
他社製品のデータ……たとえば体重計などがつながる仕組みは提供しており、単にデータを取り込むだけでなく、LifeLogアプリ側の拡張プラグインとして新しい種類のデータにも対応できるよう作っている。これはもちろん、ソニー製品に対しても同じだ。
ただし、当面ははスマートフォンを使っての写真撮影や音楽、映像の再生、それにCoreに代表されるソニー製のウェアラブル製品が対応製品となる。参考出展だが、カメラ機能を持つコアも披露した。また利用者が設定することで、SENやPlay Memories Onlineの利用履歴ともつながる。
――SENとつながるのであれば、たとえばビデオレコーダーの予約、視聴状況など、さまざまなソニー製品の動作履歴をSENを通じて同期できるのでは?
言うまでもなく、我々はブラビアもレコーダーもやってきた。多品種のエレクトロニクス製品を持つソニーの特徴を活かし、新たなアプリケーションを生み出そうという情熱が社内に拡がってきている。社内にSENのようなクラウド型サービスを持ち、ウェアラブルに関しても核となる戦略を持つことで、より発展したアイデアが出てくる。
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