E3で見せた、ソニーPS4完勝のシナリオ 前世代で躍進したマイクロソフトは苦戦

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また、最低価格モデルの価格でXbox Oneの方が100ドル高価という状況を打開するため、ジェスチャーや音声でゲーム機を操作する”キネクト”を同梱しないパッケージを用意した。PS4もジェスチャー操作をサポートするMoveカメラを同梱していないため、これで価格差の問題はなくなる。

しかし、ゲームパブリッシャーの反応は冷ややかに感じられた。記者会見では先に行われたマイクロソフト主催イベントでの大々的な発表を避け、ソニーのイベントでワールドプレミアを行うゲーム会社があったほか、かつてマイクロソフトのファーストパーティとしてXboxシリーズの躍進を支えた米バンジーがソニーとの距離を縮め、スピンアウト後の新作「DISTINY」をバンドルした新色PS4の発売を予告するなどの共同プロモーションが予告されている。

ソニーは仮想現実ディスプレイやクラウドを通じたゲーム体験の提供など、新プラットフォームの立ち上げ期を終え、次のステップへと歩を進めている。スペンサー氏の舵取りが功を奏したとしても、そのころ、ソニーはさらに前進している。

売却、スピンオフも?

マイクロソフトはXbox部門単独の収支を発表していないが、他部門の損益から昨年度は約1900億円の赤字と推測されている。新CEO・サティヤ・ナデラが思い描くプランの中にXbox事業がないとすれば、これらの噂は現実になるかもしれない。かつて同事業の立ち上げを主導したビル・ゲイツ氏も、サティヤ氏がXboxがコア事業ではないとの判断を下すのならば、同事業を(かつてのExpediaのように)スピンアウトさせることに賛成だと発言して注目を浴びている。

現時点において、WindowsやWindows Phoneと同じアプリケーションがXbox Oneでも動作させる仕組みが発表されるなど、会社全体の戦略からXboxが外されているわけではないことは抑えておくべきだが、難しい状況にあることは明らかだ。このまま苦戦が続くようであれば、かねてより噂に上っているXbox部門の売却、あるいはスピンアウトが現実となるかもしれない。

本田 雅一 ITジャーナリスト

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ほんだ まさかず / Masakazu Honda

IT、モバイル、オーディオ&ビジュアル、コンテンツビジネス、ネットワークサービス、インターネットカルチャー。テクノロジーとインターネットで結ばれたデジタルライフスタイル、および関連する技術や企業、市場動向について、知識欲の湧く分野全般をカバーするコラムニスト。Impress Watchがサービスインした電子雑誌『MAGon』を通じ、「本田雅一のモバイル通信リターンズ」を創刊。著書に『iCloudとクラウドメディアの夜明け』(ソフトバンク)、『これからスマートフォンが起こすこと。』(東洋経済新報社)。

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