なお、人々の反応の変化は、ワクチンに対する期待によってもたらされたとも考えられるが、むしろ、「マインドセット」の変化によってもたらされている可能性のほうが高い。具体的には、感染のリスクを過剰に解釈してしまう「損失回避」のバイアスと、ウイルスに関する情報の不足によって悪い情報を過剰に重視してしまう「利用可能性ヒューリスティック」のバイアスが、徐々に解消されてきたことが大きいだろう。
ウイルスに対する理解が深まるにつれ、過剰な行動が抑制されること自体は自然なことであり、政府当局はこのような人々の「マインドセット」の変化も考慮に入れつつ、対応を考えていく必要がある。
「第3波」による行動変化は統計的に「ゼロ」
8月21日のコラムと同様に、COVID-19 Community Mobility Reportsの各種移動データの変化を説明するモデルを作成した。
具体的には、「感染者数」(前日に確認された新規感染者数)、「緊急事態宣言ダミー」(4 月16 日~5 月24 日を「1」、それ以外を「0」としたダミー変数)、「GoToトラベルダミー」(GoToトラベル事業が開始された7月22日以降を「1」、それ以外を「0」としたダミー変数)、祝日と土日をそれぞれ「1」、平日を「0」としたダミー変数を説明変数とする重回帰モデルを作成した。なお、感染拡大局面別に人々の行動の変化を捉えるため、「感染者数」を「第1波」「第2波」「第3波」の3つに分けた。
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