詐欺師が使う「電話マニュアル」巧妙すぎる中身 年末年始は詐欺師にとっての「書き入れ時」
新型コロナウイルスの感染拡大「第3波」が止まりません。高齢者の在宅率が高まると、詐欺の電話や訪問を受けやすくなる可能性があります。
警察庁が公表している2019年の特殊詐欺の被害額は、11月は約26億7000万円でしたが、12月の被害額は約29億円と2億3000万円近く増えています。
つまり詐欺師にとって年末年始は「書き入れ時」なのです。
詐欺グループの「想定マニュアル」
このところ、警察官をかたり「あなたの口座から不正にお金が引き出されていますので、すぐに口座を止めてください」という詐欺の電話が多くかかってきています。しかし詐欺が横行している時代ゆえに「うそなのではないか?」と警戒する人はたくさんいます。それは詐欺師も十分にわかっています。
そこで、詐欺師はその疑いを消し去るために、「不正出金されている」という銀行口座番号を相手へ伝え、本人の手持ちのカードや通帳の情報と照合させることもあります。相手が口にした疑問に対して、よどみなく答えることで信じさせてくるのです。
なぜ、すらすらと返答することができるのでしょうか。それは、詐欺電話で使われている“想定マニュアル”が存在するからです。詐欺グループによる「相手の疑問を消す話術」を紹介します(入手元がわからないように、表現を一部変更しています)。
「警察は電話をかけてこないと、ニュースで注意していましたよね」
電話を受けた男性から、こうした疑問をぶつけられたとします。そのときにどう詐欺師は対応するのでしょうか。詐欺グループが使うマニュアルでは「おっしゃる通りです。基本的には警察からお電話をいたしません」と答えるようになっています。相手の質問を受け止めたうえで、次のように切り出します。
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