詐欺師が使う「電話マニュアル」巧妙すぎる中身 年末年始は詐欺師にとっての「書き入れ時」

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「(カード停止の手続きが間に合わなくなってしまい)万が一、お金がATMから引き出されたとしても、ご安心ください。『振り込め詐欺救済法』というものがあり、現金をお戻しする手続きもできますので」

これは実際に存在する法律です。こうした相手の知らないであろう情報を伝えることで、詐欺ではないと信じさせます。

人は疑問を持てば、それを口にするものです。「想定マニュアル」はさまざまな疑問のパターンを網羅しているので、多くの人がだまされてしまうのです。

コロナ便乗詐欺も横行

詐欺師はいつも私たちの思惑の一歩先を行こうとしますので、年末の時期は新型コロナに絡めた詐欺にも十分な警戒をしてほしいと思います。

新型コロナの「第1波」が到来していた6月頭、70代女性のもとに息子をかたる人物から「オレだけど、新型コロナが陽性だった」という電話があり、約1500万円をだましとられています。

「第2波」が到来した8月には、80代女性のもとに「今、PCR検査の結果待ちだけれども、熱が出ているからコロナかもしれない」という電話が偽の息子からかかってきました。

「第3波」が襲ってきている今月も、「新型コロナに感染したかもしれない」と息子をかたる電話をかけて、岡山県の高齢男性から100万円をだましとった30代の男が逮捕されています。

年末はどうしてもお金の出し入れが多くなる時期です。それを狙って、新型コロナに便乗したオレオレ詐欺などが起こる恐れがあります。

過去最高のコロナ患者数が連日、報道されるなか、なかなか帰省できない状況が続くかと思いますので、ぜひとも高齢の親や祖父母に連絡を取って、こうした巧みな詐欺の手口に注意するようにお伝えいただければと思います。

多田 文明 詐欺・悪徳商法ジャーナリスト

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ただ ふみあき

これまでに悪徳業者などへの潜入数は100カ所以上に及ぶ。数々の現場経験と取材から、詐欺・悪質商法に詳しいジャーナリストとして、多数のテレビ・ラジオに出演している。著書「ついていったらこうなった」(彩図社)はフジテレビで番組化され、2007年~2011年の間、ゴールデン枠の特番で第8弾まで放送された。また、騙されないための講演も数多く行っており、2017年~2018年にかけて、消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」の委員も務めた。著書に「だまされた!だましのプロの心理戦術を見抜く本」(方丈社)などがある。

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