ソフトバンクのロボットをつくった男 孫正義社長と会い、ビジョンを共有した

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ヒト型以外の形は考えていなかった。アプローチとして犬型や猫型ロボットなどもあるだろう。しかし、形がかわいいのはもちろん、ボディランゲージから感情を読み取ることができるというのも、コミュニケ―ションをしていく上では必要だと思っている。

 今回のペッパーには200ほどの要素技術が盛り込まれている。高度な音声認識機能やモーター、各種センサー、笑顔を検知する映像処理技術、感情を認識する技術もそうだ。こうしたすべての技術をうまく統合し、稼働させることは本当に難しかった。一方で、すべてを統合した技術が参入障壁になっているのも確かだ。

開発スピードがどんどん加速する

―一般向けロボットは今後、どれほどのスピードで普及すると考えているのか。

 普及に関しては、非常に速い段階で実現されていくだろう。ロボット分野でアプリケーションなどの開発を希望する技術者は多い。

ところが、これまではプラットフォームとなるロボットがないため、開発したくてもできなかった。つまり、音声認識や笑顔を検知する技術、音楽の演奏機能など、それぞれ、自分の専門分野しか知らなかった。

 完璧でなくても、プラットフォームさえあれば、それぞれの部分で改善が進み、ロボットの完成度も高まっていく。今後はそうした開発が爆発的、ネズミ算式に増えていくだろう。来年2月にペッパーを発売すれば、さらに色々な人に使ってもらうようになり、開発プロセスは加速していく。

それこそ、1年後には君もペッパーと一緒に暮らしているんじゃないかな。

(撮影:今井康一)

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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