ソフトバンクのロボットをつくった男 孫正義社長と会い、ビジョンを共有した

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――ソフトバンクとの提携に至る経緯は?

 これまで、われわれは「nao(ナオ)」というヒト型のロボットを開発し、発売してきた。さらに市場を伸ばすためにはどうすべきかと考える中、興味を持っていたのが通信分野だった。そのため、アジア地域では通信関係の見本市などにも出展していた。

 一方の孫社長は、だいぶん前から自分の「夢」を実現したいという思いがあったようだ。そのために、ソフトバンクでは特別調査チームを作り、世界中のロボット会社を調査していたところだった。

1時間半のつもりが8時間話した

カメラのシャッターを切る度にこまめに反応したペッパー

当初、孫社長はマイノリティ出資を検討していたと思う。だが実際に会ってみると、お互いのビジョンがマッチするだけでなく、個人的にも意気投合した。

アポイントは1時間半の予定だったが、結局は8時間もかけて話し合い、その日のうちに投資が決まった。孫社長には明確なビジョンがあり、本当にそれを実現できる会社かどうか心配していたようだ。

 結局、われわれのビジョンや実際に作っているロボットが、孫社長が持っていたビジョンに近かったので、うまくいったのだと思う。実際、ソフトバンクとはビジネス展開の仕方も似ていると感じる。

 ペッパーの開発では、ソフトバンクのプロダクト部門のメンバーも開発に加わってもらい、品質向上のための支援も受けている。孫社長とは主にビジネスについての議論をしてきた。開発面では、感情認識の部分について補完するような場面もあったと思う。

――すでに販売しているナオは各国でどのように利用されていますか。


 すでに世界70カ国で5000台以上の販売実績がある。研究所での利用から、プログラミングや情報学などの教育の場面、実験的だが外国語教育でも利用されている。また、自閉症の子供を教育している方の補助などにも役立っている。やはり、コミュニケーション、気持ちのやり取りといったところがキーワードだ。

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