フェイスブックも参戦、ネット札束外交過熱 ワッツアップ買収に1.9兆円、M&Aブームが始まった

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世界最大のソーシャルメディアであるフェイスブックが社運を懸けたM&Aに打って出た。2月19日、スマートフォン用メッセージングアプリであるワッツアップを190億ドルで買収すると発表したのだ。

株式時価総額が1700億ドル以上のフェイスブックにとって、この程度の買収は株式交換を用いれば容易と思うかもしれない。が、買収額のうち40億ドルは現金払いだ。利益が積み上がったことで年末時点の手元流動性は114億ドルあるものの、40億ドルの支出は決して小さな額ではない。

ワッツアップは2009年に元ヤフー社員のブライアン・アクトン氏とジャン・コウム氏が創業した。チャットに特化したシンプルさが受け入れられ、世界で最も人気のある無料メッセージングアプリになっている。約4億5000万の月間AU(月に最低1度は利用するアクティブユーザー)を誇り、1日当たり100万人が新規登録しているという。ただし、現在の主な収入源は「初年度無料、2年目以降年間0.99ドル」にすぎず、本格的な収益化はまだ先だ。

「10億ユーザーに向かっている」

それでもCEOのザッカーバーグ氏が巨額買収をいとわなかったのは、「ワッツアップは10億ユーザーへの道を進んでいる」と高く評価しているから。競合するLINEのユーザー数は3億7000万、楽天が9億ドルで買収するバイバーは3億。ワッツアップと大差がないようにも見えるが、これら競合の数字は登録ユーザー数であってAUはずっと少ない。特に欧米ではワッツアップが独走している状態だ。

「ワッツアップのビジネスモデルは、フェイスブックと反対であり、防御的かつ戦略的な賢い動きだ」(元アップル幹部でシリコンバレー・イノベーション・コンサルタントのサジーブ・チャヒル氏)

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