角川が仕掛けるラーメン店に行列ができるワケ 月替わりで有名店が本気でラーメン試作に挑む

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店内には大型のサイネージやプロジェクターを設置。厨房は奥まで見渡せるガラス張りで、製作過程をつぶさに見てとることができる。また厨房内には定点カメラが設置されており、ウェブでライブ映像が流れ続けている。

ここはラーメンを主役とするステージであり、店主たちが腕を競うリング。花形プロレスラーのように登場する店主たちがバトルを繰り広げる。

(写真左)店内には大型ディスプレーが設置され、調理中の手元を映し出すこともできる(写真右)作業の全貌が見渡せる厨房。2セットの設備と仕込みエリアが用意されており、複数の店主がそれぞれ種類の違うラーメンを製作できる(撮影:梅谷秀司)

また、スーパーバイザーのほかにも、月に1回程度、チャレンジ店主を招いて商品を提供してもらう。実力と売り上げ次第では、出資者紹介制度により出店支援を行う場合もあるそうだ。

ラーメンの「リアル」が伝わる場所

今回の取り組みの意図について、同店の仕掛け人に話を聞いた。角川アスキー総合研究所の代表取締役会長であり、ラーメンWalker、テレビ、ウェブ版ラーメンWalkerなど、KADOKAWAにおけるラーメンプロジェクトを率いてきた福田正氏である。

「ラーメンは日本を代表するコンテンツ。KADOKAWAではこれまでいろいろなメディアを通じてラーメンを紹介してきました。今、何が不足しているかなと考えたときに、そういえばリアルがないなと。これまで雑誌などを通じて、店舗とも強いコネクションを結んできましたから、それを生かして、ラーメンのおいしさが生で伝わり、店主が躍動するライブハウスのような場所をつくりたいと考えました」(福田氏)

ミシュランにも選ばれるような指折りの名店の、店主自らに協力してもらえたのも、店主たちと共に歩みながらラーメン文化発展を支えてきたKADOKAWAだからこそ、ということだろう。

また、店舗自体が料理人にとって魅力的な場所であるという理由もある。先述のようにラーメンバトルの実況中継ができるようなメディアシステムのほか、最新型の設備を整えた厨房を擁しているのだ。

麵を縮らせる作業。手もみで行われる(撮影:梅谷秀司)

名店同士が1杯のラーメンで腕を競いあう同店では、さまざまな食への挑戦が行われる。そこで、スチームコンベクション(高温調理器)、真空包装機といった機器、ラーメンに最適な水質に調整した浄水器等をそろえた。

また、厨房は2セットの設備と仕込みエリアを用意。2人の店主がそれぞれ違うラーメンをつくりながら、もう1つで仕込みなどのルーティン作業を行えるようにとの目的がある。

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