浦和レッズ「厳しい経営」で見出す新機軸の実情

コロナで激減した入場料収入をどう取り戻す?

収入増については、まずクラウドファンディングやギフティングという新たなチャレンジに打って出た。前者は1億3000万円弱、後者は試合ごとに募金を集める形で総額600万~700万円の支援があったという。

さらにスポンサー営業も抜本的なテコ入れを図った。コーポレート本部兼パートナー・ホームタウン本部課長の山本桂司氏は地道な努力の積み重ねをこう評する。

取締役マーケティング本部長の山西学氏(右)と、コーポレート本部兼パートナー・ホームタウン本部課長の山本桂司氏(写真:浦和レッズ提供)

「コロナ禍で4カ月間試合が中断し、また、パートナー企業自体の経営も苦しまれている中で、シーズン中の返金や減額のお話があると思っておりました。しかし、実際には『レッズを応援しよう』という企業が多く、今季に関しては昨年並みの38億円のパートナー収入を維持できそうな見通しが立ちました。それは本当にありがたいことであり、感謝の言葉しかありません。

パートナー企業への感謝を表現すべく、今夏に各部門のスタッフで『発信タスクフォース』を発足。デジタルメディアを中心に露出を増やし、売り上高の減少を少しでも抑制するような努力もしました。オンラインでの選手とファンの交流の場も数多く設けましたし、各社の商品の紹介をより多く発信するよう努めました」

企業や行政との関係構築

過去3年間で20社の新しいパートナー契約を結ぶことができたことも苦しい今季の追い風になった。

「首都圏の他のJクラブの事業担当者からも『レッズはどのような新規獲得営業をしているのか』とよく聞かれますが、地元機関との提携を含め、『仲間づくり』を進めてきたのが大きいと感じます。

埼玉県宅地建物取引業協会や浦和医師会、埼玉縣信用金庫、埼玉りそな銀行と、地域に根付きながら市民の生活を幅広くカバーしている団体や企業と提携することで、地元企業とのタッチポイントを増やしていき、より多くのところと接することができました。今後も『企業タッチポイント』をより増やすよう取り組みたいと思います。

これまでもホームタウンへの転入者をホームゲームに招待し、試合観戦機会を提供させていただいたり、小学生向けの観戦学習会も実施するなど、地元への取り組みを進めてきましたが、今後はさらに強化していきたいです。

さらには、経済産業省 関東経済産業局や内閣府などわれわれの活動を支援してくれる行政との関係も構築しました。このような関係を広げ深めることで、2021年にコロナ禍が続いていたとしても何とか乗り切っていけるのではないかと期待しています」(山本氏)

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