浦和レッズ「厳しい経営」で見出す新機軸の実情 コロナで激減した入場料収入をどう取り戻す?

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グッズに関しては、コロナ禍でオンライン活用が喫緊の課題となり、担当外のクラブスタッフの力も借りて強化に乗り出した。

オンライン販売に特化した企画商品の数を大幅に増やし、2020年末時点で約10万人いるREX CLUB会員を対象にメールマガジンを配信して新商品の告知や紹介を行ったり、会員ごとの傾向分析をしながらお勧めグッズを提示するなどの試みを行った。

その結果、2020年のオンライン販売は当初計画の3億円から、5億円に達しそうな見込みという。

新規事業案のオンラインサロン

このようにコロナ禍によるマイナス材料もあったが、プラス材料も皆無ではなかった。そこに目を向け、2021年以降は新規事業の展開も考えていくと山本氏は強調する。

「アイデアとしては、①ファン・サポーター向けオンラインサロン、②アプリの開発・提供(動画含む)、③デジタルコンテンツ、④海外との連携・提携(東南アジアなど)を考えています。とくに注目しているのが、①のオンラインサロン。今年手掛けたクラウドファンディングで高額出資者対象に『3対3』のオンラインミーティングを行ったところ、大変な盛り上がりが見られました。

そういうロイヤリティの高い方々を対象にオンラインサロンを行って、営業・事業面のアイデアをもらったり、チームへのご意見をいただくといったことができれば、経営面にもプラスになるという期待があります。支援者とのダイレクトコミュニケーションを取れるのが、オンラインのいいところ。そこは大いに活用できると再認識しましたし、新たな仲間づくりのツールとして役立てていきたいと思います」

こうした取り組みによって収支改善を図っていくのが2021年の最重要課題だ。2019年の浦和は年間売り上げ82億円とヴィッセル神戸に次ぐ数字を残したが、2020年は60億円台を死守するのが精一杯だろう。この水準が続けば、来季以降も赤字になってしまう。それだけは回避しなければいけないとクラブ一丸となって士気を高めている。

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