浦和レッズ「厳しい経営」で見出す新機軸の実情 コロナで激減した入場料収入をどう取り戻す?
新型コロナウイルスに翻弄された2020年Jリーグも20日に全日程を終えた。J1はご存じの通り、川崎フロンターレが史上最速優勝を達成。2006年以来のタイトル奪回を狙った浦和レッズは10位で終わり、2021年に再起を懸けることになった。
2016年はYBCルヴァンカップ制覇、2017年はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)優勝、2018年は天皇杯制覇、2019年はACL準優勝など、近年はビッグタイトルに必ずと言っていいほど絡んできたチームとしては不完全燃焼感が強かったに違いない。
こうした成績とコロナ禍による入場者数の制限や観戦控えが重なって、2020年の平均入場者数は7869人にとどまった。コロナ禍の影響があり単純比較はできないが、2001年の埼玉スタジアム開業以降、2万6000人以上の観客数を集め、2008年のピーク時には平均4万7609人の大観衆が常時入っていたクラブにとって、激減によるダメージはあまりにも大きい。
6月には立花洋一社長が「2019年の入場料収入は23億円だったが、それが半分近くになるのは確実。クラブの決算も10億円近い赤字を計上する見込み」と険しい表情で語っていたほどだ。
コロナで依然厳しい入場料収入
それから半年が経過し、現実の厳しさは依然として変わらないようだ。山西学取締役マーケティング本部長は2020年度の見通しを次のように話している。
「クラブとしては年間2ケタ億円の赤字を回避すべく、さまざまな努力をしてきました。ただ、コロナ禍による入場者制限が想定より長引き、収容可能者数に対する収容比率が50%に引き上げられたのが10月。
浦和レッズの場合は、埼玉県の方針もあり、収容比率を段階的に引き上げたため、最終戦でも40%の2万4000人を上限にしていたので、入場料収入自体はかなり厳しい。社長の立花が説明した時点では、前年の半分にあたる12億円程度の入場料収入を見込んでいましたが、最終的な着地点は4分の1くらいになると見ています。
シーズン後半に行ったアンケートでも、2020年開幕時点のシーズンチケット購入者の約6割が来場されていなかった。この6割のうち約35%が『行きたいが、コロナ感染の不安があり、どうしようか迷っている』という回答でした。そういう方に戻ってきていただくのは、クラブとしての最重要課題だと考えています」
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