浦和レッズ「厳しい経営」で見出す新機軸の実情 コロナで激減した入場料収入をどう取り戻す?
そこで浦和は12月12日の湘南ベルマーレ戦を「シーチケサンクスデー」と銘打って、シーズンチケット購入者を対象にゴール裏350円という極めて安い料金に設定。コロナ禍の再開後、1万4847人というシーズン2番目の観客数を記録した。
実を言うと、この試みは来季に向けた大きな布石でもあった。というのも、浦和はこれまで「年間いくら」という形でシーズンチケットを販売していたのだが、2021年は従来シーズンチケット保有者が自動的に無料入会できる「REX CLUB(レックスクラブ)」のロイヤリティを時限的に有料に衣替え。シーズンチケット保有者には会費を払ったうえで入会してもらい、チケットはその都度、最速かつ最安で購入する形になるからだ。
「最速・最安」でチケットを買える仕組み
「われわれのファン・サポーターはシーズンチケットをどれだけ長く保有しているかという『シーチケ継続年数』へのこだわりが非常に強い。20年以上に及ぶ方も少なくありません。
来季もコロナ禍の影響が見通せず、不確定要素がとても多い中、従来通りシーズンチケットを購入していただくことが、ご心配やご迷惑をおかけすることにつながるのではないかという危惧がある。来場するか否かをそのときの状況次第で判断できる形にしたほうがより安心していただけると思いました。
そこで、年間3万円でロイヤリティ会員に入会し、最速・最安でチケットを買える仕組みを考えました。すべての試合をご購入いただいた場合は、従来のシーズンチケット料金と同等になる料金設定にもしてあります。サポーターのみなさんの反応はそれぞれですが、2021年の更新率は12月初旬時点の前年同時期対比で72~73%になっています」(山西取締役)
こうして入場料収入の最低限の部分は確保したうえで、パートナー収入、グッズ収入という3本柱の2つを引き上げる必要がある。その布石を打つため、浦和では今年「収入増プロジェクト」「支出削減プロジェクト」の立ち上げに踏み切り、各部から集まったスタッフが知恵を絞った。各部から集まったスタッフが知恵を絞った。支出に関してはコピーの枚数や応接室の飲み物まで徹底してチェック。聖域なき見直しに着手した。
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