アマゾン、楽天を侵す「ショッピファイ」の正体 モールもリアル店も介さず世界を相手にできる

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現在、フェイクなどが横行する巨大ショッピングモールではなく、信頼度の高い情報と製品を提供する「公式ショップ」から買いたいニーズが高まっています。

ナイキの例のほかに、ワークマン、ディズニーストアもモールから撤退し、独自のECサイトを構築しています。

ブランディングと独立独歩

この背景として、次の要因が考えられます。

① 自社独自で最終顧客に対してしっかりブランディングを行いたいというブランド側の思惑
②プラットフォームのコントロールから離れたい

アマゾンや楽天といったショッピングモールに出店することは、数多くの顧客に売ることができますが、一方で販売データ、顧客データを管理することはできません。

しかし、自社プラットフォームであれば、顧客データを獲得し、自社で管理することで、マーケティング施策に活用することが可能です。

もちろんショッピファイもプラットフォームです。しかし設計ベースがきわめて小さいため、ショッピファイから何かを強制されるということがほとんどありません。

たとえば、さまざまな決済システムとショッピファイは提携していますが、利用している決済システムが納得いかないのであれば、別のシステムを使えばいいだけの話です。

このようにさまざまな機能を「ロックイン」(データベースなど含めプラットフォームに依存すること)しない自由な設計思想がベースになっています。この点において「プラットフォームからの離脱」というコンセプトと合致します。

ショッピファイを筆頭とする使い勝手のよいECサイト構築プラットフォームが誕生したことで、プラットフォーマーとの決別に拍車をかけています。
このことから「アマゾン・キラー」と呼ばれているわけです。

自社の顧客属性やマーケティングデータが手に入る

月額29ドルから始められるショッピファイは、ネット通販を「小さく始めてみる」には最適です。小売とネット通販を同時に、簡単に始められるということは、小売業者、中小メーカーの商品開発担当者や販売企画担当者にとっては、きわめて朗報です。

すでに顧客を抱えている事業者なら間違いなく勝機です。

特に、Shopify はたとえば、他社ブランドで販売される製品を生産するOEMメーカーなどにとっては大きな可能性が開かれました。

これまでさまざまな理由からユーザーに直接売ることができず、無名のメーカーとして生産していた業者、たとえば「一流ブランドのOEMだけやっています」といった、直接ユーザーのもとに届けられない理由で販売できなかった多数の業者が、直接売ることで自分の「ブランド」や「看板」も立てることができるようになったのです。

つまり無数の中間メーカーが、取引先を飛び越して、自分たちの技術やサービスを売れるのです。これまでOEM専業だったメーカーが、Shopify のストアを通して、自社の生のマーケティングデータやユーザーの属性データを入手することで、現場のリアルな情報をもとに商品の改善や売り方の修正ができるようにもなります。

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