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Netflixとテレビ「利用者から見た」決定的な差 ハマってしまうのにはれっきとした理由がある

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  • 鈴木 貴博 経済評論家、百年コンサルティング代表
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日本のテレビ局の場合「いかにウィズコロナのガイドラインに沿って放送を続けられるか」「コンプラを重視した番組を制作できるか」に力点が置かれていますが、ネットフリックスの力点は「いかに利用者をネットフリックス中毒にさせるか」の1点にあるように思えます。ここが日本の放送事業者に決定的に欠けている視点です。

日本の番組は引きを作ってCM後につなげ、引きを作って次週につなげます。バラエティ番組で面白そうなところでモザイクがかかって「正解はCMの後」にする。それで視聴者は同じ場面をもう1回繰り返しながら観なければいけない。

ネットフリックスの社内ではおそらく誰かがその習慣を壊しにいくはずです。たぶんこのやり方は2000年頃のバラエティ番組のディレクターが編み出したサプライヤーロジックでの成功体験が定着したものだと思われます。

社内にはルールがなくなんでもやれる

その成功が逆に視聴者のテレビ離れを起こしていることに気づかないか、気づいていても変えられない地上波という競争相手が目の前にある。だったらそれを壊したら自分たちの勝ちじゃないかと考えるのがネットフリックスという組織です。

ネットフリックスについては創業者のリード・ヘイスティングスの著書『NO RULES』もベストセラーになっています。そこではネットフリックスの社内にはルールがなく、社員ひとりひとりが自分の考えでなんでもやることができるという仕組みが事細かに描かれています。

自由だから作り手が本来大切にするエンドロールをスキップする。スキップしてみると視聴者はそのコンテンツに費やす時間がその分増える。視聴体験として快適だから徐々に視聴者はネットフリックス中毒になっていく。彼らの脅威に気づいて対応できる今だけが、日本のテレビ界にとっては最後の変われるチャンスなのではないでしょうか。

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