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Netflixとテレビ「利用者から見た」決定的な差 ハマってしまうのにはれっきとした理由がある

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  • 鈴木 貴博 経済評論家、百年コンサルティング代表
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実は物理的な在庫の位置とレコメンデーションを対応させて、顧客に届けやすい作品を上位に表示させていた。在庫がなくて送付が途切れるということも極力ないように仕組みを作る。こういった顧客との関係を切らさない工夫でネットフリックスはブロックバスターの追撃を切り抜けます。

2020年時点で考えるとそれでも利用者の関心はすぐにほかの何かに向いてしまいます。ドラマを観ていて何かの情報が出てきたらすぐにそれを検索する。おいしそうなスイーツだったらその口コミのチェックに気が移ってしまう。これはテレビが解決できていない問題です。視聴者はテレビを観ながら気づくとスマホに意識をうつし、誰も観ていない番組はひとりで先に進んでしまいます。

ネットフリックスは視聴が中断したら、戻ってきたときにそこからまた始めることができる。これも視聴者を逃がさない工夫です。スタンダード契約だとスマホとテレビと両方で観ることができますが、片方の端末で途中まで観たら、別の端末で見てもその続きから始めることができる。帰宅の電車が駅に到着していったん離脱した視聴者が、自宅のリビングで続きを観るために戻ってきてくれる。地上波のテレビはこんな単純なサービスが提供できていないから差をつけられるのです。

それでも既存大手の脅威を感じている

ただドキュメンタリー映画を観ていて気づく非常に興味深い点は「それでもネットフリックスはブロックバスターやアマゾン、ハリウッドなど既存の大手に負ける恐怖をずっと感じていた」という点です。

新型コロナで世界が引きこもりになった2020年の7~9月期、ネットフリックスの有料課金ユーザーがいちばん増えた市場が日本と韓国を中心としたアジア市場だったといいます。いよいよネットフリックスの脅威が日本のテレビマーケットを襲い始めているわけですが、実はネットフリックスの側も地上波や他の配信事業者の脅威をしっかりと感じていて、その対策を計算しているというところが面白い。

そう考えると日本の地上波各局は、ネットフリックスに勝てるかもしれない未来が目の前にあるのに、その対応が生ぬるいというのが実情ではないでしょうか。

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【コロナ禍においてもネットフリックスが重視する力点】

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