自律神経のバランスを乱す「悪い習慣」の正体 下がった副交感神経をいかに上げて整えるか

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整え方のポイントは、ずばり「副交感神経を上げる」こと。多忙でストレスに満ちた生活を送っている現代人は、「交感神経が高く、副交感神経が低い」ケースが大多数を占めます。

さらに、加齢によって、副交感神経が低下しやすくなることもわかっています。われわれの研究では具体的には、男性は30歳を境に、女性は40歳を境に副交感神経のレベルが大きく下がり、以後10年ごとに15%ずつ低下していくことが明らかになっています。

したがって、自律神経のバランスを整えるためには、下がってしまった副交感神経をいかにして上げるかということがカギになってきます。その方法は意外なほどシンプルです。

  • ①血流をよくする
  • ②深い呼吸をする
  • ③心地よさを感じる
  •  

血流・呼吸・心地よさは、実は自律神経とリンクしており、互いに影響を与え合っています。そのため、次のような関係が成り立ちます。

  • 「血流が悪くて呼吸が浅く、心地よさを感じていない→自律神経のバランスが乱れる」
  • 「自律神経のバランスが整う→血流が促され、呼吸が深くなり、心地よい状態」

体や脳、心の健やかさを奪う

お気づきでしょうか。①血流をよくする②深い呼吸をする。この2つはどちらも「体を伸ばさないことによる弊害」と関係しています。体を伸ばさずにいると、血流が悪くなり、呼吸も浅くなりますよね。

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さらに、実は首と背中には、自律神経のなかでもとくに重要な神経が走っているため、姿勢の悪い状態が長く続くと、自律神経の働きそのものも阻害されてしまいます。

つまり、体を伸ばさないことによって、さまざまな要素が自律神経の働きを邪魔し、体や脳、心の健やかさを奪ってしまうのです。

そして、自律神経のバランスを整えるポイント③心地よさを感じる。これも非常に大切です。いくら体を伸ばしても、それが苦痛を伴うものだとしたら自律神経のバランスは乱れます。したがって、体の硬い方が無理やりストレッチをすることは、「体を大切にする」という観点からすると望ましくありません。

大切なのは、体をしっかり伸ばしつつ、心地よさを感じること。それによって副交感神経が優位になり、自律神経のバランスが整います。

小林 弘幸 順天堂大学医学部教授、日本スポーツ協会公認スポーツドクター

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こばやし ひろゆき / Hiroyuki Kobayashi

1960年、埼玉県生まれ。87年、順天堂大学医学部卒業。92年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任する。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。『医者が考案した「長生きみそ汁」』、『結局、自律神経がすべて解決してくれる』(アスコム刊)などの著書のほか、「世界一受けたい授業」(日本テレビ)や「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBSテレビ)などメディア出演も多数。

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