自律神経のバランスを乱す「悪い習慣」の正体 下がった副交感神経をいかに上げて整えるか
この、血管をコントロールする力は、自律神経のバランスにかかっています。自律神経のバランスが整っている場合は、瞬時に血管をコントロールすることが可能です。立ちくらみが起きてもすぐに回復するか、あるいは仕事が速すぎて立ちくらみすることすらないでしょう。
一方、自律神経のバランスが乱れている場合は、反応が遅れるとともに、血管を収縮する力が弱まります。回復するまでに時間がかかったり、激しい立ちくらみに襲われたりすることもあるでしょう。
とくに高齢の場合は、立ちくらみした際に転倒し、骨折をしてしまい、そのまま寝たきりになるケースも少なくありません。したがって、血管をコントロールする力を高めることはとても大切です。
このように、血流をはじめ、呼吸、代謝、体温調節などが適切に保たれているのは、自律神経が24時間休むことなく体の状態を確認し、それに応じて適宜コントロールしてくれている賜物にほかなりません。
つまり、私たちが生きていられるのは、自律神経のおかげであり、体が本来持っている機能を十分に働かせるためには、それらをコントロールしている自律神経のバランスを整えることがカギになるということです。
自律神経が、心身のパフォーマンスを決める
自律神経は「交感神経」と「副交感神経」に分かれていて、基本的に相反する役割を果たしています。
「交感神経」は車に例えるとアクセルのようなものです。優位になると体は活動的になります(優位になるというのは、神経細胞が興奮し、情報の伝達が頻繁になることを言います)。
交感神経が優位になると、臓器は活発に働き、血管は収縮して、血圧や心拍数が上がります。気道が広がるので、呼吸数も増えます。体内では多くのエネルギーがつくられ、脳の活動も高まり、心は興奮状態になります。
全体的にエネルギッシュなので、なんだかよいことのように感じますよね。しかし、そうではありません。交感神経が過剰に優位な状態は、アクセルを踏みっぱなしにしているようなもの。しかも加齢に伴って、“乗っている車”も年季が入っていきます。タイヤは摩耗しているし、エンジンの調子も万全とは言えないでしょう。
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