今、ファストファッションもでてきて、同じような服もたくさんあって、なかなかファッションに夢がないと言われがちな現実があります。でも、たまにすごく変な服をつくるデザイナーがいて、僕とかが、これがちゃんとビジネスになって、というのを示していきたいなと思うのですよね。
あと、たぶん、これからの世代は、ツールが変わってくると思っています。僕らのひとつ前の世代はパソコンもなかった時代ですし、パターンや型紙も手でひかないといけなくて。デザイン画も、全部手で描いて、メールもなくて、という世代が作っていた洋服が、ずっと流れています。僕らのスピリッツも、市場にも。いろいろなものが進歩する中、ミシンも、こういう(たて)動作しかできないものが、100年以上も続いていて、はさみもそうですし。
でも、今の時代、いろいろなツールが出てきたので、パソコンが出て、CADが出て、3Dプリンタが出て、レーザーカットが出て、フォトクロミックも次世代の技術です。そういうものをファッションに取り入れて、ファッションが飛躍的に産業革命を起こすことってあると思うのです。新しいミシンが出てきたら一発で変わると思うのです。
僕らの世代もそうですけど、何か今までのやり方じゃないものっていうのを、次の世代の人たちも試してみてほしいな、と。そういうのを試さないと、全然、ドアが開いてこないので。
――同じ服ばかりじゃ変わらないですよね。
人の体が変わらないと新しい洋服は生まれないと、ずっと言われているのですが、人の体は変わらないので、そうするとやっぱり道具を変えるしかないな、と思うのですよね。
――それは素材だったり、技術だったりってことですか?
そうですね。この染色も、普通の染色方法じゃない技術――光で変化するインクの技術を用いて染めているので、全然、違うものが出来上がっているのです。その与えられた染料の中で、どれとどれを混ぜたら新しい色になるだろうって、やっているだけだとやっぱり生まれないですよね。
――そういうことにチャレンジしてほしいということですね。ちなみに、アンリアレイジの今後のビジョンを教えていただけますか?
やっぱり、海外で勝負したいですね!
そして、ファッションにおけるさまざまな境界線を越えてみたいです。”白”と”赤”、”S”と”M”、”春”と”秋”、”日本”と”海外”、”上の世代”と”僕らの世代”、”日常”と”非日常”など、定められた境界線を越境し、日常を揺さぶる。そんなAN-REAL-AGEのあり方を貫いていきたいです。
これからの活躍がますます期待される、アンリアレイジ。彼らの進む先には、いくつもの新しい扉が用意されています。さまざまなことに挑戦し、自らステージを上げていく彼らの前には、世界に向けられた扉もあります。そして、その扉が開かれる日も、きっとそんなに先の話ではないと思います。
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