「不登校は不幸ではない」といえる確かな理由 コロナ禍で増加する不登校の子どもたちの処方
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、不登校の子どもが増加しているようだ。「これまで休みがちだった児童が、完全に不登校になるという事態が起きている。保健室登校も増加した。コロナの不安から学校に行きたくないと言う子どもも出ている」と、ある小学校教諭は話す。
全国の小中高校や特別支援学校を対象にした調査(「新型コロナウイルス感染症に関する学校の対応について」)によると、「学校再開や夏休み明けに不登校や保健室登校の子どもが増えた」という回答が2割超にものぼった。
「要因として、コロナ禍で休校措置が取られたために新年度の4月にクラスでの人間関係をつくることができなかったということが考えられる。友達という『居場所』がないので学校に行きにくくなっているようだ」とフリースクール全国ネットワーク代表理事の江川和弥氏はその背景について語る。
また教師が、授業の遅れを取り戻そうとしたり、カリキュラムを調整したりといった業務に追われ、子どもたちの不安を察知しにくい状況もあるようだ。
「不登校=不幸」なのか
かつて「#不登校は不幸じゃない」というハッシュタグが起こした、不登校経験を肯定するムーブメントが話題となったことがある。「不登校になること」イコール「不幸」ではないというメッセージ。どうしたら不登校の子どもたちが「不幸だ」という感覚に陥らずにすむのか。
それぞれの子どもによって事情や思いは異なるだろうが、ヒントを得るために当事者に話を聞こうと考えた。今回は不登校の渦中の子は声を上げづらいという状況を鑑みて、不登校を経験した子どもたちに振り返ってもらった。
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